デビュー5周年記念ミニアルバム『LUCKY Hi FiVE!』インタビュー

LiSAがソロデビュー5周年で明かす、新たな決意「5年前はひとりだったけど、今はみんながいる」

 

「5年前と同じく、まっさらな状態から始めたかった」

ーーそしてデビュー5周年を飾る4月20日には、最新ミニアルバム『LUCKY Hi FiVE!』がリリース。ソロデビューから5年後の同じ日に再びミニアルバムを発表するというのもドラマチックですよね。

LiSA:そうですね。ちょっと私、頭が悪くてわからないんですけど……5年経ったら同じ日に同じ曜日(日本で主にCD発売曜日とされる水曜日)が来るの?

スタッフ:来るんです。

LiSA:あはははは!(笑) そうなんですね、そういうふうに世界は回っているんですね(笑)。すっごい奇跡で同じ曜日になったのかと思ってたけど、5年に1回くるんですね。

スタッフ:だいたい来ます。
※編集部注:5年周期では必ずしも同じ曜日にはなりません。

LiSA:失礼しました、今まで聞けなかったもので(笑)。

ーーいえいえ、僕も今初めて知りましたので(笑)。ところでデビュー記念日にソロデビュー作『Letters to U』と同じくミニアルバムを出そうというのは、当初から考えてたんですか?

LiSA:私は5年に1回その日が来るとは知らなかったので、それが水曜日(CDリリース日)だと知ったときに「(デビュー時と)同じことができるぞ!」と。それこそホワイトクリスマスぐらいの奇跡が起きてるみたいな、特別な出来事だと思ったんです(笑)。そんな特別な日を特別にしなくて何を特別にするんだ!と、5年前と同じくミニアルバムを作りたいなと思いまして。ミニアルバム『Letters to U』でデビューしたときはまっさらな状態から始まったわけで、そこから5年後の今、新たにミニアルバムを作るならシングル曲を入れずに、同じようにまっさらな状態から始めたいなと考えたわけです。

ーーなるほど、それでオール新曲で臨んだわけですね。内容的にはどの楽曲も非常に個性的で、「PiNK(=キュート、カラフル/ポップ)サイド」と「BLACK(=ハード、ダーク/ロック)サイド」と呼ばれる両端の音楽性がうまくブレンドされた、非常にLiSAさんらしい作品に仕上がった印象があります。

LiSA:全部シングルみたいな作品集になったなと思います。フルアルバムだとやっぱりシングル曲が4、5曲入れるわけじゃないですか。でも新曲の数だけだとミニアルバムも一緒なんですよね。ということは労力的にはフルアルバムを作るときと変わらないから、別にフルアルバムにしてしまってもよかったんじゃないか?ってよく言われるんです。でもフルアルバムを作ろうとすると、じゃあここにシングル曲を置いたときに、その間をどういう新曲で埋めていこうかな?と考えちゃうと思うんです。

ーーでも今回はミニアルバムにこだわりたかったわけですよね。

LiSA:そうなんです。だから今回は1曲1曲のことをじっくり考えて、この曲をどう育てようか?っていう相談の仕方ができた気がしていて。そういう意味では全部シングル曲を作っているような感覚で制作に臨めたと思います。

「誰かがいてくれるから歌える歌が今はすごくある」

ーーシングル曲のないオール新曲でのアルバムとなると、それこそ『Letters to U』以来ですもんね。その『Letters to U』ではオープニングの「Believe in myself」で「自分はこういう気持ちで歌を歌っていくんだ」っていう所信表明を、高らかに宣言していて。そこから5年経った『LUCKY Hi FiVE!』を聴くと、いくつかの楽曲からはテーマ的に「Believe in myself」に続く新たな意思表明のように感じられたんです。そのへんは作詞するときに意識していたんですか?

LiSA:そうですね。やっぱり私自身がこの5年を経てすごく変化していますし。というのは、『Letters to U』のときは信じたい未来はたくさんあったけど、まだ周りに誰もいなかった、ひとりだったと自分は思っていて。だからこれから作っていくんだっていう、本当にスタートの一歩ですよね。「未来に何があるかわからないけど、信じてみたい」みたいな、本当に希望でしかなかったと。で、希望を持っているという意味では今も一緒なんですけど、この5年の間にいろんなことを経験した結果、誰かがいてくれるから歌える歌が今はすごくあるなと思っていて。みんなに出会って未来も楽しくなるかもしれないというワクワクが、そこにプラスされた感じがしてますね。

ーーそれがすごく象徴的なのが、ミュージックビデオだと思うんですよ。デビュー作の「Believe in myself」ってLiSAさんひとりしか出てこなかったじゃないですか。それが今回の「Hi FiVE!」ではバンドメンバーはいるわ、ダンサーはいるわ、BMXライダーはいるわで、このわちゃわちゃした感じがまさに今のLiSAさんだなという気がして。

LiSA:そこをめっちゃ計算していたかと言われるとそうではないんですけど、でも確かに自分の気持ち的にすごくたくさんの人が増えた、だから“ハイ・ファイブ”=ハイタッチできる人が増えた、それがちゃんと作品に投影できてるんだなって、今言っていただいて実感できました。

「LiSAというアーティストがやれるという自信がある」

ーーそれと「Hi FiVE!」は、イントロのギターリフでニヤリとしてしまいました。

LiSA:あはははは(笑)。そうそう。今までもそういう仕込みというか「これはこれやろ?」みたいなフレーズを入れてたんですけど、今回の「Hi FiVE!」はあからさまやし、さらに「halo-halo」にも……(笑)。

ーー中盤に入るギターリフですよね。

LiSA:そうです。私のルーツを知っている人たちにとっては、その隠れニヤニヤが『LUCKY Hi FiVE!』にはいっぱい入ってると思いますよ。

ーーまた今作ではソングライターも興味深いですよね。「Psychedelic Drive」では感覚ピエロの横山直弘さんが作曲、「She」ではPay money To my PainのPABLOさんが作曲・編曲、そして「halo-halo」では再び小南泰葉さんが作曲でそれぞれ参加していて、特に前者2曲からはこれまでのLiSAさんにはなかった新たな要素も加わってますし。

LiSA:小南さんにお願いするのも田淵(智也/UNISON SQUARE GARDEN)さんにお願いするのもPABLOさんにお願いするのも横山さんにお願いするのも、私からしたら大好きなグリーン・デイに「グリーン・デイみたいな曲、作って!」とお願いするのと同じで(笑)。別に真似したいわけではなくてその人の音楽が好きなだけで、しかもそれをLiSAというアーティストがやれるという自信があるんですよね。それは幕張メッセをやりましたという名刺だったり、5年分の足跡だったり、続けてきたからこその説得できる材料、興味を持ってもらうための材料が増えたからというのもあって。なんならグリーン・デイやアヴリル・ラヴィーンにお願いして書いてもらう日も遠くないかも?って夢を持てるぐらいに全部がつながってるし、全部叶っちゃうかもっていうワクワクもあるんです。

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