乃木坂46は『命は美しい』をどう完成させたか 秋元真夏「今回は息が出来ないくらい泣いた」
番組中盤では、MV撮影の現場に密着。メンバーと撮影チームは早朝、富士山の麓にある野外ステージに集合し、気温がマイナス2℃を記録するなか、15時間という制限内で撮影を敢行。あまりの寒さに、カットが掛かるたびに暖を取るメンバーの姿がオンエアされた収録スタジオでは生田が「寒いんですけど春の設定で、白い息を出しちゃダメだと言われた。だからリップシーンでは息を吸いながら歌ってました」と撮影秘話を語った。合間の食事休憩では、衛藤美彩と橋本奈々未が豚汁を作る一幕も。
MVの後半パートでは、メンバーそれぞれが別の衣装を纏ったシーンを撮影。同パートについて、肩出しの衣装を纏った衛藤が「生地的にカイロが貼れなかった」とコメントすると、番組では白石のカイロが服から落ちるというNGシーンを公開した。また、番組は10代の女子305人に対し、同MVを見て気になった個所を調査。62%が「黒い涙を流すシーン」を挙げ、「どういう意味なの?」、「松井玲奈さんだけなぜ涙が白いの?」といった質問が寄せられた。この質問に対し、MV監督の井上強は「女の子が泣くのは意味があると思って、黒い涙と白い涙が『陰と陽』を表し、それが『命』に置き換わるようにイメージした」と答えた。
番組後半では、レコーディング風景の裏側を紹介。白石が「<足元に咲いた花を見つけろ!>という歌詞の<足元>が<橋本>に聴こえたって言ったら、『橋本だけ<橋本>って歌ってみてよ!』って言われてた。今歌ってても蘇ってくる」と笑いながら語ると、橋本は「ア行をハ行で言ってしまったりするので、良く聴けば『ハ』が入ってるかも」と振り返った。
また、深川麻衣は「<その手 放せば楽なのに しがみつくのはなぜだろう>って、確かに辛いならやめちゃえばいいし、それでも頑張りたいって思うのは理由があるはず」と歌詞を分析すると、相楽も「しがみつくという言いかたとは違うかもしれないですけど、乃木坂には居たいと思う」と同意した。一方、若月佑美は<それがしあわせだと教えられるよりも 足下に咲いた花を見つけろ!>という歌詞について「自分の中にある小さな花を見つけた方が良くて、それは教えられるようなものではないという深さがある」と大人びたコメントを寄せると、生駒里奈は<命は逞しい この世に生まれてから どんなに傷ついても 立ち上がろうか>という歌詞を「私は『命』を『気持ち』に置き換えて解釈している」と語った。一般人へのアンケートでは<永遠ではないもの 花の儚さに似て その一瞬一瞬が 生きてる意味>というフレーズが3位に、<その手 放せば楽なのに しがみつくのはなぜだろう>が2位、<昨日途中であきらめたこと 今日もう一度始めよう>が1位に輝いた。
番組の最後には、生駒が同曲について「こんな大きいテーマを歌っていいのかと思ったけど、命ってみんな平等に配られているものだし、一度は自分のことを大切に考えるものが『命』なのかと思った」と意見を述べると、齋藤飛鳥は「このテーマをアイドルが歌ったときのギャップがどう受け止められるかと思ったけど、乃木坂46には影の部分を持ったメンバーが多いから、10代の子に響くのかもしれない」と纏め、番組が終了した。
普段は中々明かされることのない、振り入れやレコーディングの舞台裏が紹介された今回の放送。同番組によって、乃木坂46は新たに10代の支持を広げそうだ。
(文=向原康太)