神聖かまってちゃんは今、何をしている? 個々の活動とクリエイターとしての変化を追う

 「神聖かまってちゃん」関連のニュースが増加している。4月9日には、『知恵ちゃんの聖書』以来1年半ぶりのシングルとなる新しいシングル『フロントメモリー』がリリースされることが決定。さらに、ライブ&ドキュメンタリーDVD『神聖かまってちゃん ライブ・ヒストリー2009-2013 Vol.1(仮)』も3月26日にリリースされ、同日には恵比寿のLIQUIDROOMでワンマンライブが行われることが決定。ここでは、前作『楽しいね』以降の動きをまとめてみたい。

 2013年の彼らは、リリースこそなかったものの、ライブ自体は全国ワンマンツアーを成功させるなど積極的に動いてはいた。ただし同年はバンドとしてではなく、メンバー個人としてアクションを起こすことが多い年でもあった。キーボードのmonoはASOBI SYSTEM主宰のイベント『ASOBI NIGHT』にの子と2人でDJとして出演する一方、ベースのちばぎんは「ピックアップゴールド」という、かまってちゃんを結成する前に自身が組んでいたバンドでライブを行った。みさこは「たたいて踊れるリズムアイドル」である「バンドじゃないもん!」の活動を本格化させ、2枚のシングルをリリースするなど、積極的な動きをみせている。そして何より、一番課外活動が目立ったのは、ボーカル/ギターのの子だろう。

「ソロアルバムのリリースや、tofubeatsとのコラボ、音楽面での課外活動が目立ってますね。もちろんホリエモンと対談するなど話題性のある動きもあるのですが、今は一人のクリエイターとしての音楽活動が際立っているのではないでしょうか」(音楽雑誌編集者)

 2013年は、各メンバーがクリエイターとして、ビルドアップに徹した年だったといえそうだ。では、2014年の神聖かまってちゃんは、どのような活動を展開する予定なのだろう。

「公式サイトでは4月のシングルの他に、4月、6月にもシングルを連続リリースすることや、8月にアルバムをリリースし、夏フェスに出演すること。そして最終的には全国ツアーに行くという旨の手書きの文書が掲載されていますが、これはあくまでマニフェストです。彼らの動きは誰も予想できない(笑)。とはいえ、バンドとしてリリースやツアー、フェスなど、音楽性を深く追求する年になることは間違いないと思われます」

 神聖かまってちゃんはデビュー以来、音楽的ポテンシャルの高さが常に評価されてきたバンドだ。実際にこれまでリリースしてきた作品はどれもクオリティの高い内容だった。しかし、話題性が先行し、一般的には音楽性よりもキャラクターにスポットが当てられてきた感も否めない。そんな彼らが“ビルドアップ”を経て、音楽性をより深く追求して生まれるサウンドとは、どのようなものだろう。まずは4月のシングルを楽しみに待ちたい。
(文=松下博夫)

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