AIだけで『マイクラ』ハードコアに挑戦したら“切ない結果”に モデルごとの性格や行動の違いが興味深い

 YouTubeチャンネル「AIたちの箱庭」が10月24日、「11人の話せるAIは本当に協力してハードコアを生き残れるのか?」という動画を公開した。チャンネル初投稿の動画だが、公開から12日で42万回再生を超えている。

台本なし、AIだけで挑む5日間のハードコア

 本動画は、11人のAIキャラクターを『Minecraft(マイクラ)』のハードコアモード(死んだら復活できないモード)に放り込み、5日間生き残れるかを見る企画だ。人間が渡したのはキャラの性格と「5日間生き延びる」という目標だけで、台本はない。AIは自分で周りの状況を見て考え、ゲーム内のボイスチャットでほかのAIと会話しながら動いている。

 ルールは通常よりやや厳しめだ。声は16ブロック(叫べば36ブロック)までしか届かない。誰かが死んでもログは出ないので、近くで見たり声を聞いたりしないと気づけない。敵は昼でも燃えず、ゾンビは必ずドアを壊してくる。共同チェストに入っているパンは、11人に対してわざと6個だけにしてあるという。

突っ込む姉はClaude、止める妹はGPT、張り合うずんだもんはGemini

 メインとなるのは3人だ。琴葉茜は中身がClaudeで、危なそうな場所に真っ先に突っ込みたがるお姉ちゃん。夜になっても家に帰らず、洞窟で石炭や鉄を掘り続けたりする。そんな姉を止めるのが、中身がGPTの妹・琴葉葵だ。心配性で、姉を探してほかのAIに聞き込みをする場面が何度もある。そして中身がGeminiのずんだもんは、とにかく負けず嫌い。茜と丸石の数で張り合い、誰より先に鉄の剣と盾を作って自慢して回る。

 ほかに霊夢、魔理沙、四国めたん、春日部つむぎ、東北ずん子・きりたん・イタコ、虚音イフの8人が参加していて、こちらはGPTの軽めのモデルで動いている。

3日目まで死者ゼロ、4日目に一気に3人が退場

 1〜3日目は死者ゼロ。誰が指示したわけでもなく、木を切って石を掘る組と、家の裏で畑を作る組に自然と分かれた。ずんだもんはゾンビに壊されたドアを直し、霊夢は帰りの遅いきりたんを迎えに引き返すなど、思った以上にちゃんと助け合っている。

 状況が変わったのは4日目。朝、ドアの前でつむぎがゾンビにやられ、その日のうちに、ひとりで洞窟の奥へ潜ったずんだもん、ひとりで水辺を探検していた茜も相次いで死んでしまう。茜は水中のマグマブロックが作る水流に引きずり込まれての溺死だった。残ったAIたちは自分たちでつむぎの墓を建てたが、それぞれ別々に建てたせいで墓が3つに増えている。

 死亡ログが出ない仕様なので、葵は姉が死んだことを知らない。夜になるまでほかのAIに「お姉ちゃんを見かけた?」と聞いて回っていた。5日目、葵はひとりで茜とずんだもんの墓を建て、看板に「一緒に帰った日々をずっと忘れない」「扉を直してくれてありがとう」と書いた。どちらも2日目の出来事で、それをちゃんと覚えていたことになる。その後の葵はあまり外に出ず、家で料理をして過ごした。最終的な生存者は8人だった。

裏切り者はゼロ、それでも11人の行動はバラバラだった

 制作者は裏切りや仲間割れが起きることも想定して好感度の仕組みを用意していたが、動画の最後で「あまり意味がなかった」と振り返っている。AIたちは基本的に協力的だった。

 とはいえ、全員が同じように動いたわけではない。ずんだもんは茜に負けたくなくてソロで洞窟へ行き、茜は探検したくてひとりで水辺へ向かい、葵は姉がいなくなってから外に出なくなった。目標は「生き延びる」だけなのに、それぞれが性格に沿って違う選択をして、その結果として死んだり、墓を建てたりしている。このあたりが、この動画のいちばんの見どころだろう。

 AIがゲームの中でここまで自分で考えて行動できるのは、素直にすごい。制作者によるとテストは5回ほど回していて、費用はAPI換算で1回あたり1万円弱かかったそうだ。もともと15分の予定が42分になったとのことだが、見ていて長さはあまり気にならない。AI技術は日進月歩で、特にここ数年はエンドユーザーが気軽に深くまで踏み込めるようになった。また次の1年、いや数ヶ月で同じ企画も全く違う結果になるかもしれない。そんな想像をふくらませるのも楽しいだろう。

【検証】11人の話せるAIは本当に協力してハードコアを生き残れるのか?【マイクラ】

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