『ポケモンユナイト』もサービス終了……「MOBA」というジャンルの難しさを考える

“ポケモン版MOBA(マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)”として人気を博していた『Pokémon UNITE(ポケモンユナイト)』のサービス終了が突如発表された。国内外のeスポーツシーンでも存在感を放っていたタイトルなだけに、動揺するユーザーも少なくないようだ。
サービス終了の理由は明らかにされていないが、この一件はMOBAというゲームジャンルの難しさを物語っているかもしれない。
累計2億ダウンロード、競技シーンにも残した足跡
『ポケモンユナイト』は2021年にリリースされたチーム戦略バトルゲーム。対応機種はNintendo Switch、iOS、Android。プレイヤーが5対5に分かれてバトルを繰り広げるという内容で、ピカチュウやリザードンをはじめとしたポケモンたちが多数登場している。
『ポケモン』のネームバリューも影響し、リリースの翌年には1億ダウンロードを突破。2025年7月には、全世界累計ダウンロード数が2億を突破したことも発表されていた。(※1)
また『ポケモン』シリーズのゲームとしては珍しく、競技シーンに力を入れたタイトルとしても有名。プロリーグやアマチュア大会、世界大会などが盛んに行われてきた。今年アメリカで開催された『ポケモンワールドチャンピオンシップス2026』のポケモンユナイト部門では、日本のZETA DIVISIONが初優勝を飾って話題に。国内の競技シーンも盛り上がっていた印象だ。
しかし10月27日、そんな本作が2027年3月23日をもってサービス終了を迎えることが明らかに。具体的な理由は公表されていないが、テンセントの国外ゲームスタジオへの投資縮小施策やマネタイズの不備など、さまざまな推測が飛び交っている。
さらにそもそも論として、「MOBAというジャンルのゲームを長期的に運営するのが困難なのではないか?」といった指摘もあるようだ。
遊び慣れた作品から移れない? MOBAの学習コスト
MOBAといえば古くから存在するジャンルで、今まで多くの作品がリリースされてきた。しかしその多くが短期間でサービス終了を迎えてしまうため、いまだにこのジャンルの代表作として挙げられるのは、10年以上前から続いている古参タイトルの『League of Legends』(LoL)や『Dota 2』だ。
とくに圧倒的な存在感を放つのは『LoL』だが、これはMOBAの特殊なゲーム性に起因していると考えられるだろう。一言で言ってしまえば「別タイトルへの乗り換えが面倒」なのだ。
というのもMOBAは格闘ゲームなどと比べても圧倒的にキャラクター数が多くなりがち。『LoL』の場合は2026年10月現在で、170体以上ものチャンピオン(キャラクター)が実装されている。そしてチャンピオン1人ひとりに独自のスキルが設定されており、そのビルドや立ち回りを新しく覚えるのは簡単ではない。
そのためMOBAの新作ゲームが出たとしてもユーザーは気軽に移りづらく、結果的に『League of Legends』や『Dota 2』といった一部のタイトルがシェアを独占する構造が長らく続いている。ここに新規参入してシェアを獲得するには、たとえば『モバイル・レジェンド』や『Honor of Kings』のように、“ほとんどLoLと同じ”ゲーム性の作品を作るしかない。キャラクターもスキルもほとんど『LoL』と一緒なら新しく覚える必要はなく、『LoL』ユーザーの流入すら期待できるからだ。
そう考えると『ポケモンユナイト』は、MOBAとしては十分成功したゲームと言えるのではないだろうか。一部『LoL』と似たような技などがあるものの、ほとんど別物として作られたゲームとなっているからだ。
そもそもMOBAというジャンル自体、ライトなゲーマーにはとっつきにくく、配信的な見栄えの悪さもよく指摘される。いくら『ポケモン』というIPの力があったとしても、5年以上も運営が続いたのはほとんど奇跡のような成功例だ。
いずれにせよ『ポケモンユナイト』のサービス終了は、新規タイトルがMOBAの市場で戦い続けることの難しさを再認識させる形となった。MOBAに新規のヒット作が生まれる未来はあるのだろうか。
参照
※1 https://www.pokemonunite.jp/archive/ja/news/350/

























