宇宙電力インフラ構築を目指すZero Industriesが約4.7億円を調達 CEOは16歳の杉原海

16歳CEOが宇宙電力インフラで4.7億調達

 宇宙電力インフラの構築を目指すZero Industries, PBC(日本法人:Zero Industries Japan株式会社)が、プレシードラウンドにおいて300万米ドル(約4.7億円)の資金調達を完了したことを発表した。

 本ラウンドは前澤ファンドをリード投資家として、UntroD Capital Japan、NOW、Midtown、個人投資家らが参加した。同社の調査によれば、日本におけるスタートアップが公表したプレシード調達の主要事例を対象とした比較の中で最高額になるという。同社は設立から6か月での調達となる。

 同社を率いるのはCEOの杉原海(16歳)、CTOの藤井佑成(19歳)、COOの谷昊埜(20歳)の3名。本社はカリフォルニア州サンフランシスコに置き、日本法人は2026年3月24日に設立された。

左から谷(COO)、杉原(CEO)、藤井(CTO)
左から谷(COO)、杉原(CEO)、藤井(CTO)

 最初の事業は、衛星向け送電サービス「Helios」。宇宙で発電した電力をレーザーによって軌道上の衛星へ供給するもので、送電衛星「Helios Beam」、顧客の衛星へ取り付ける受電モジュール「Helios Cell」、送電を管理する運用システム「Helios Grid」の3つで構成する。

地球周辺の電力網の構想イメージ(CG)
地球周辺の電力網の構想イメージ(CG)

 現在の衛星は主に機体の太陽電池パネルで電力を賄っており、地球の影に入る間は発電が止まる。同社は外部から電力を供給することで、顧客が発電設備と蓄電池に割き当てる重量を削減し、その分を観測機器、計算機、推進系へ配分できるようにする。数百km離れた衛星への送電と、1機から複数の衛星への同時送電を設計要件としている。

レーザー送電用の発電衛星のイメージ(CG)
レーザー送電用の発電衛星のイメージ(CG)
宇宙データセンターへ給電中のイメージ(CG)
宇宙データセンターへ給電中のイメージ(CG)
月面拠点への電力供給の構想イメージ(CG)
月面拠点への電力供給の構想イメージ(CG)

 初期の供給先は、地球観測衛星、軌道間輸送機、衛星の点検や修理を行うサービス機となる。その後、宇宙データセンター、軌道上の工場、月面の拠点へ拡大する計画だ。長期事業計画の到達点として、2035年に地球上での発電を不要にすること、2150年に太陽を囲むダイソンスウォームを完成させること、2150年以降はダイソンスウォームを量産し、銀河へ展開することを定めている。

ダイソンスウォームの構想イメージ(CG)
ダイソンスウォームの構想イメージ(CG)

 初期実行計画としては、2026年秋〜2027年春に光産業創成大学院大学(GPI)との共同研究による受電素子の評価、屋外におけるkm級の送電実証、複数のレーザーを合成して動く目標を追尾する試験を実施し、軌道実証機の設計条件を確定する。2027年後半には軌道実証機を設計し、衛星バスの選定とレーザー系の宇宙環境への適合試験を開始。2030年には初号機による衛星間送電の実証、その結果に基づいて商用の送電衛星を投入し、最初の顧客への供給を開始する予定となっている。

 あわせて同社は、GPI光エネルギー分野の藤田和久研究室と、衛星向けレーザー無線電力伝送の共同研究を進めている。藤田教授はJAXAなどの研究機関と進めてきたレーザー方式の宇宙太陽光発電の研究で、レーザーによる送電、大気中での光の伝わり方、レーザー光を電力に変える受電を一体で研究してきた知見を持つ。

■関連リンク
公式サイト:https://zero.space

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