『あいの里3』むぅこ&博士の結婚が“最高のハッピーエンド”である理由 「支える恋」から「支え合う愛」へ
ドラマでも映画でも、これほどまでに心を揺さぶられたことがあっただろうか。現在、Netflixで独占配信中の恋愛リアリティショー『あいの里』シーズン3。第10話から第12話にかけて描かれた大人の三角関係が、大きな反響を呼んでいる。
※以下、ネタバレを含みます
35歳から60歳までの男女が「人生最後の恋」を求めて共同生活を送る本作。児童養護施設で働くむぅこ(38歳)は、動画配信業のしぃくん(39歳)と、医学博士の博士(50歳)の間で心が揺れていた。その末に博士と結ばれ、里を出てわずか1カ月後に結婚。シリーズ史上初となる「あいの里婚」が誕生した。しかし、3人の歩みを見届けると、結ばれた2人を祝福するだけでは語り尽くせない思いが残る。
「支えたい恋」と「支え合える恋」の間で揺れたむぅこ
むぅこが将来の夢として掲げていたのは、養育里親になること。日本では、家庭での養育を必要とする子どもたちの里親委託が十分に進んでいない。児童養護施設で働き、子どもたちが置かれた現実や寂しさを間近で知る彼女にとって、自ら家庭を築き、子どもを迎えたいという願いは切実なものだった。
そんな大切な夢を諦めてでも、そばで支えたいと思った相手が、しぃくんだった。彼は脳動静脈奇形による後遺症を抱えながら、病気に負けまいと明るく振る舞っていた。むぅこはその裏にある苦しさにも触れ、惹かれていく。彼女自身、長期入院していた妹のもとに学校帰りに通い、後に「お姉ちゃんがいたから頑張れた」と言われた経験から、人を支えることが生きがいになったという。しぃくんを支えたいという思いにも、そんな彼女の優しさが表れていた。
しかし、しぃくんが療養のために里を離れている間、むぅこは博士と距離を縮めていく。知的で穏やかな博士は、養育里親になりたいという彼女の夢に自分も一緒に取り組みたいと応え、実現に向けた具体的な計画まで語っていた。
博士の愛情は、もっと小さな行動にも表れている。むぅこが体調を崩した際には、水を用意し、別の住民を通じて女性部屋に届けてもらった。自分が気遣ったことをわざわざアピールするでもなく、ただ相手のために行動する。そんな見返りを求めない優しさも、誰かを支えることに喜びを感じるむぅことよく似ていた。
これまで誰かの力になろうとしてきたむぅこにとって、自分の夢を一緒に叶えようと考え、何も言わずに気遣ってくれる博士の存在は、どれほど心強かっただろう。支えることに喜びを感じる人が、支えられることの幸せや安心感にも気づいていく。博士への気持ちが大きくなっていったのも、自然なことに思えた。