『ペルソナ4』『STRANGER THAN HEAVEN』試遊レポ 『東京ゲームショウ2026』で体験した注目作の現在地

今年もさまざまなブースが来場客の目を引いた『東京ゲームショウ2026』だが、その中でもひと際注目を集めていたのが、セガ/アトラスブースだ。まるで、テレビ番組のセットのような階段式の試遊台&ライブステージは、それだけでも絶大なインパクトを誇っていたが、その主役となる『ペルソナ4 リバイバル』と『STRANGER THAN HEAVEN』は、さらに各専用エリアが設けられるという大規模ぶりで、これ以上ないくらいにメーカーの力の入りようを表していた。もちろん、会場内外ではどこを見ても同ブースのショッパーを担ぐ来場者を見ることができたように、実際の人気も凄まじいものだった。
今回、両タイトルを試遊する機会に恵まれたので、それぞれのプレイレポートをお届けしたいと思う。
リメイクと完全新作、それぞれの魅力を体験
まずは、2008年にPlayStation 2向けに発売されたタイトルのリメイクとなる『ペルソナ4 リバイバル』。先に断っておくと、私が「ペルソナ」シリーズに触れたのは、2016年の『ペルソナ5』が初めてで、ちょうど最近、『3』のリメイクとなる『ペルソナ3 リロード』(2024年)をプレイ中という「ペルソナ」ファンの中でも比較的新参者の部類だ。そのため、原作(オリジナル版)からの変化については語ることができないのであしからず。
今回の試遊では、バトルに特化したモード(原作経験者向け)と、ストーリーに特化したモード(原作未プレイ向け)の2種類が用意され、どちらか好きな方を選ぶことができた。後者を選択して試遊をスタートすると、主人公と思われる青年と、友人と思わしき花村陽介、そして謎のクマ(?)が、陽介の先輩を追うために薄暗い田舎町を歩く場面が描かれていく。恐らくこれは、かねてより噂で聞いていた、テレビの向こう側の異世界、通称「マヨナカテレビ」の中なのだろう。セガ/アトラスのブースでは、なんとこの「マヨナカテレビ」自体が再現され、その中に入って写真を撮ることができるという粋な施策が実施されていた。
「シリーズの過去の作品を、『ペルソナ5』を基準にグレードアップする」というリメイクの狙いは、ここでも見事に発揮されていて、言われなければ18年前の作品だとは絶対に分からない。作り込まれた3Dモデルやアニメーション、何と言っても隅々までスタイリッシュに磨き上げられたユーザー・インターフェースや演出は、まさに今の私たちが知る「ペルソナ」そのものだ。それどころか、『3 リロード』と比較しても、さらにアニメーションのクオリティやUIのクールさに磨きがかかっているような印象すら受ける。
そうした「らしさ」が最も発揮されるのは、やはりバトルの場面だろう。今回の試遊に登場したバトルは、いずれもチュートリアル的な内容で、シリーズ特有の歯ごたえのあるものではなかったが、敵キャラクター「シャドウ」の禍々しさや、ペルソナ発動時の演出、UIを含めたカメラワーク、お洒落が極まったサウンドトラックに至るまで、とにかく抜かりがないことはすぐに分かる。こちらも(高水準の)『3 リロード』よりもさらに隙がないという印象で、本作が『4』のリメイクであると同時に、『3 リロード』の続編でもあるという感覚を強く抱かせる。近年のJRPGのスタイリッシュなターン制バトルといえば、昨年の『Clair Obscur: Expedition 33』が筆頭に挙がるが、本作の仕上がりぶりを見ていると、まさに元祖の本領発揮と言えるのではないだろうか。
とはいえ、やはり気になったのはストーリーの行く末だ。「マヨナカテレビ」の中で遭遇した、「ジュネス」というショッピングモールらしき場所への恨み節を語る声の数々や、欲望に塗れた“裏”の陽介の姿。「ペルソナ」らしいドス黒い演出は試遊でも確かに感じられ、その先に待つ物語が気になって仕方がない。果たして、いったい何が待っているのだろうか...…。「ジュネス」と言えば、今回のTGSの物販コーナーでは、「ジュネス」のエプロンやエコバッグが販売され、即完するほどの人気を誇っていたが...…。この続きは、2027年2月18日の発売(Nintendo Switch 2版は5月20日)を待つしかない。
続いて、今やセガが世界に誇る開発部門となったRGGスタジオ(「龍が如くシリーズ」など)が贈る完全新作『STRANGER THAN HEAVEN』。(基本的に)現代を描いている「龍が如く」から一転し、今作では1915年から1965年に及ぶ5つの時代と場所を舞台とした大東真の物語が繰り広げられる。
今回の試遊では、バトルに重きが置かれ、難易度別の3つのミッションが用意されていた。こちらは選択式ではなく、一度の体験ですべてを遊ぶことができるようになっており、それぞれ、1915年の福岡・小倉、1929年の広島・呉、1943年の大阪・ミナミが舞台となっている。ゲームが描く複数の時代の変化を、バトルを通して感じられるというわけだ。
チュートリアルミッション的な位置付けの1915年/福岡・小倉編から早速目を引くのは、当時を再現したであろう大正時代の風情豊かな街並み。商店が並ぶ活気溢れる通りの風景は、「龍が如く」シリーズはもちろん、他のゲームでもなかなか描かれることの少なかった時代であるということもあり、新鮮な印象を与えてくれる。これは他の2つのミッションにおいても共通することだが、従来の「龍が如く」シリーズと比較してグラフィックが大幅に進化しており、画面の向こう側から街全体の空気感まで感じられるほどだ。この時点で、開発陣が本作に相当な気合を入れていることが伝わってくる(TGSの専用ブースでは、未発表楽曲を含む本作の楽曲映像がシアター形式で上映されており、音楽面の仕上がりも期待大だ)。
さらに感銘を受けたのは、何気ない描写の作り込みだ。街には蕎麦屋が設置されており、ゲームシステム的に言えば、バフ効果などを得られることができる。ここで注文した時に流れる、大東真が蕎麦を食べるシーンが、とんでもなくカッコいいのだ。粋な食べ方、姿勢、カメラのカット割り、シーン自体の短さなど、どれを取っても完璧である。特に、1915年時点では大東は街の人々から親しまれているようで、限られた時間の中でも「気の良い兄ちゃん」ぶりが伝わってくる(とはいえ、その物語は決して穏やかではないことが示唆されているわけだが……)。
だが、今回の試遊でもっとも度肝を抜かれたのは、バトルそのものだ。「龍が如く」シリーズと言えば、桐生一馬の「誓って殺しはやってません」という台詞にも代表される(?)、「バーチャファイター」をルーツに持った爽快感のあるアクションである。その多種多様な(というか人間離れした)戦い方は、敢えて言えば、あくまでゲーム的に振り切ったものであると言えるだろう。しかし、『STRANGER THAN HEAVEN』の戦闘は、あまりにも容赦がない。最初のミッションの時点で刃物が武器として登場し、目の前に立ち塞がる相手を容赦なく切り刻む。素手の攻撃は、相手の身体にめり込むような感覚があり、隅に追い込んで執拗に蹴りを入れる姿は、明らかに“良い人”のものではない。
さらに、一定のダメージを入れて相手のスタミナを削り切ると、いわゆるフィニッシャーを発動することができる。これが容赦のなさに拍車をかけており、相手に上から思い切り足を振り下ろし、肉体を潰さんとする光景に背筋が凍る。総じて、「龍が如く」の戦闘があくまでゲーム的な爽快感を追求していたのに対して、『STRANGER THAN HEAVEN』では、暴力をありのままに暴力として見せようとしている。相手を殴っていて、「これはやりすぎじゃないか...?」と嫌な気分になるほどだった、と言えば、そのエグさが伝わるだろうか。
だが、だからこそ表現できるものがある。本作の戦闘は、システム自体も「龍が如く」から大きく変わっており、攻撃とガードが、ともに左手と右手で操作が分かれている。つまり、従来のアクションゲームのように、ただ攻撃に対して条件反射的にガードをするのではなく、その動きを見極める必要があるのだ。一方で、その攻撃もまた容赦がなく、時には数で、時には相手自身の実力でもって、本気で殺す気で迫ってくる。決死の戦いの中で、的確に角度を計算し、ここぞというタイミングで必殺の一撃を加える。その瞬間の暴力的な快楽は、「危険だ」と思うくらいに圧倒的だ(何度も死んだ果てに、遂に高難易度ミッションを突破した時の感動といったら!)。持論として、長らく(ソウルライクを除く)3Dアクションゲームにおいては「バットマン:アーカム」シリーズが一つの基準になっていると思っているのだが、今回の試遊は、まさにアクションゲーム全体における“ネクストレベル”を期待させるものだったと言っても過言ではない。この容赦のなさは、きっとストーリーにおいても、あるいは開発側のスタンスにおいてもきっと貫かれているものなのだろう。2027年1月15日の発売が、今から楽しみでならない。
今回の『東京ゲームショウ2026』において、特に大きな存在感を発揮していたセガ/アトラスブース。それは、『ペルソナ4 リバイバル』と『STRANGER THAN HEAVEN』という両作に対する、確かな自信の表れだったのだろう。試遊を通して感じた両作品の仕上がりぶりは、早くも来年のゲーム業界の活況を期待せざるを得ないほどだった。
『龍が如く』『STRANGER THAN HEAVEN』がFREAK'S STOREとコラボ 名場面やロゴがグッズに
セガの人気ゲーム『龍が如く』と2027年1月発売予定の『STRANGER THAN HEAVEN』が、FREAK'S STORE…『STRANGER THAN HEAVEN』:©SEGA.
『ペルソナ4 リバイバル』:©ATLUS. ©SEGA.





























