STARTO勢の趣味系YouTubeチャンネル、メリットは“三方よし構造” 活発化の背景を読み解く

 STARTO ENTERTAINMENT所属グループのメンバーが、続々と個人チャンネルを展開中だ。昨年12月には、SixTONES 森本慎太郎が、今年1月にはAぇ! group 小島健が、2月にはHey! Say! JUMP 伊野尾慧、と3カ月連続で個人チャンネルが開設されている。

 そもそも、かつては、基本的には無料で見られる場所でタレントのオリジナル動画を見ることはできなかった。だが、2018年3月に事務所初の公式YouTubeチャンネルとして「ジュニアチャンネル」(旧「ジャニーズJr.チャンネル」)が開設されたことをきっかけに、その後、デビュー組も続々とYouTubeに参入。嵐 二宮和也、中丸雄一、Hey! Say! JUMP 山田涼介、timelesz 菊池風磨によって2021年4月に始動した「よにのちゃんねる」(旧「ジャニのちゃんねる」)は、STARTOタレントによるバラエティチャンネルの草分け的存在となり、新たな視聴者層の開拓に成功した。

スタエン勢の趣味系YouTubeチャンネル一覧

 同年9月には、山田涼介の「LEOの遊び場」、12月にはデビュー組タレントを中心とした「放課後 GAMING LIFE」(当時は「Johnny's Gaming Room」)が誕生し、「ゲーム」に特化した動画を配信している。

 その後、新規のチャンネル開設は一時停滞。グループの公式チャンネルとは別のチャンネルが急増したのは2024年、すなわち、彼らの事務所がジャニーズ事務所からSTARTOへと名前を変えた移行期からである。

 これらのチャンネルでは、以前からあったゲーム関連の動画に加え、ゴルフや旅、ファッションなど、扱うジャンルの幅がより広がっている。グループのチャンネルが音楽やメンバー全員での企画動画などを上げるのがメインになっていることに比べ、個人チャンネルでは、よりタレントそれぞれの趣味が反映され、プライベートが垣間見えるものになっているのだ。

 そして、もうひとつの特徴は、他事務所のタレントも出演していることである。例えば、「グラタングミ」(旧「佐藤勝利のすべて」)は、timelesz 佐藤勝利が、ダウ90000の蓮見翔、元日本テレビのディレクター・橋本和明氏とコントユニットを結成し、実際にライブを開催するまでの過程や舞台裏を見せている。

 また、WEST. 濵田崇裕とSnow Man 向井康二による「ハマちゃんとコージのお上手です」は、ゴルフチャンネルという形式上ゲストも呼びやすく、森崎ウィンといった俳優から、YouTuberで芸人のカジサック、石川遼らプロゴルファーも登場している。

 つまり、ジャンルも、出演者も(事務所の外まで含めて)かなり自由度が高まっているのだ。

STARTOタレントの趣味系YouTubeチャンネル増加の背景

 こうしたチャンネル増加の背景には、事務所の体制が刷新されたことが影響として考えられるだろう。もともと旧ジャニーズ事務所からタレントのマネジメント業務を引き継いだSTARTO社は、2023年12月の発足初期から、従来の専属マネジメント契約に加え、エージェント契約制度を導入すると謳っていたが、移行を経て、より各々が自分の意志を反映させた活動をするようになった。そして、その影響は、基本的にはメンバーと足並みを揃える必要があるグループ活動より、個人活動のほうに出やすい。

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 YouTube上に動画が上がっていないものでも、例えば、元KAT-TUNの上田竜也はグループ時代の2024年からハロウィンフェス『MOUSE PEACE FES.』を開催。また、SUPER EIGHT 横山裕がファンとバーベキューをするイベントを行ったり、A.B.C-Z 戸塚祥太が又吉直樹や詩人の黒川隆介らと朗読会を始動させたりと、活動の種類が多様に。それが最もわかりやすく、さらに無料という広く見られる形でネットに上がっているものがYouTubeだと言ってもいいだろう。

 このようなYouTubeチャンネルにはどのようなメリットがあるのだろうか。当然、タダで見られるYouTube番組は、ファンの裾野を広げるにはもってこいである。ゲーム実況やゴルフチャンネルといった趣味系の動画には一定の需要があり、そのジャンルのファンが流入し、新たにタレントやグループのファンになる可能性もある。既存ファンにとっては、これまであまり見られなかった、タレントが好きなことに没頭している素に近い姿を見ることができる。

 正直、「グラタングミ」などは、自分の笑いの趣味に合わなくても、佐藤が普段のアイドル活動とはまた違う表情を見せているというだけで、ファンとしては見る価値のあるコンテンツになっているはず。お笑いファンが佐藤の魅力に気づくパターンもあるだろう。

 つまり、タレント・タレントの既存のファン・(新規ファンになりうる)そのジャンルのファンという“三方よし”の構造なのだ。さらには、YouTube上でそのタレントの特性が分かることによって、テレビ番組などのキャスティングにもつながりやすい。

他事務所タレントとのコラボ増で起こりうる、“ファンの流出”の懸念も

 一方で、懸念点もないわけではない。YouTubeに限った話ではないが、これまでは他事務所のタレントとのコラボレーションが限られていたことで、結果的にSTARTO外へのファンの流出が防げるという効用があった。ゲストを呼ぶにしても事務所内のタレントだったことで、より事務所内の背景や先輩・後輩の魅力を知る機会にもなり、それはSTARTOのファンをキープし、より深くハマってもらうという点で優れたシステムだったと言えるだろう。

 だが、現在は他のSNS上でも、競合ともいえるダンスボーカルグループとコラボレーションの機会も多い。タレントだけでなく、ファンにとっても事務所外との接点として機能するだけに、ファンが流出するきっかけになってしまう可能性も否定はできない。

 とはいえ、総じては開かれていて自由度が高くなっているという、いい側面が大きいだろう。少々大げさに言えば、彼らのYouTubeチャンネルは、事務所のみならずエンターテイメント業界全体を活性化する役割を担い始めたのである。

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