今回開発した『SUSUGU』のターゲット層について、大形氏はこう語った。「『SUSUGU』は、医療的ケアの必要なお子さまや、お体が不自由で入浴が難しい方をターゲットとしています。毎日お風呂に入れず、2〜3日に1度しか入浴できないなど、お風呂に入りたくても入れないときにご使用いただければと思いますので、そういった方のもとに届くよう活動していきたいですね」

　身体は拭けるけど頭はどうにもならないと大形氏が言った通り、“頭が洗えない”というのは心理的にもかなりストレスだ。実際、洗髪をしない状態で数日経っただけで、頭皮は痒みやフケといった症状も出てくる。まずは身体的に洗髪が難しい人がターゲットということだが、服を着たまま洗髪ができることで助かる人はほかにもいるだろう。

　たとえば小さいお子さんを育てている親世代などは、ワンオペ育児の際は自身の入浴や食事ですら時間を割けないこともある。そんなときにとりあえず服を着たままでもいいから洗髪ができれば、子どもから目を離すことなく爽快感を感じることができるのではないだろうか。それに、精神的に落ち込んでいるときはお風呂に入ること自体が負担になってしまうこともある。爽快感を感じるというのは、そうした沈んだ気持ちを少しだけ軽くしてくれるかもしれない。

　また、実際に使ってみて途中で止めることができるのも、『SUSUGU』の便利なところだと感じた。通常入浴は一度始めてしまうとなかなか中断できないが、『SUSUGU』はボタンひとつですぐ中断・再開ができる。育児だけではなく仕事や何かしらの事情で入浴の時間が割けないという人にも、助かるアイテムだろう。

　ターゲット層の広がりについて、大形氏は「入院時やアウトドアなど、お風呂が入りたくても入れないシーンや場所はほかにもあるかと考えていますので、将来的にはそういった広がりも想定しています」と語った。

　『SUSUGU』は単なる便利家電ではなく、服を着たままコップ1杯の水で洗髪できるという、斬新な角度で私たちの日常を助けてくれるアイテムだ。使う人の立場に寄り添った設計で、日常の小さなストレスを和らげてくれる存在として、これから多くの人の生活に役立つのではないかと筆者は思う。

『ススグ ミストシャンプー』『ススグ ミストブラシ』は9月22日に牛乳石鹸のオンラインショップにて発売開始（https://cow-soap-online.jp/shop/default.aspx）