芸能人が出産動画を続々投稿　変わりゆく“ライフイベントの発信”について考える

　YouTubeでは、多くのクリエイターが結婚や出産といったライフイベントについて投稿している。芸能人も例外ではなく、2024年8月18日にはお笑い芸人・バービー（フォーリンラブ）が出産の様子を公開。2024年8月12日には、タレントの峯岸みなみが出産について詳細に語った。

　コロナ禍をきっかけに芸能人がYouTubeに参入し、知ることのなかったプライベートの様子を、動画を通して見ることができるようになった。今回はそのなかでも“出産”というライフイベントについて注目したい。

　8月18日に出産の様子を投稿したバービー。結婚して3年目、不妊治療を経て待望の第一子の出産である。レポ動画は、出産前日にとんかつを食べるというバービーらしいシーンから始まった。入院は前日から開始したようで、部屋は夫と寝泊まりができる広々とした個室だと紹介した。ポークカレーなど美味しそうな病院食も公開し「素敵」と、明るい表情を見せた。だが帝王切開を予定していることもあり、子どもが「急に外の世界に出てきて大丈夫かな」「緊張してきた」と、時折不安そうな顔を見せるシーンも。結果、母子ともに無事に出産を終え、第一子が誕生した。

　立ち会いを行った夫は号泣しているようで、出産後朦朧とした意識のなか子どもを見つめるバービーの姿も写っており、2日後、少し安心した様子の表情を見せて動画は幕を閉じた。

　峯岸は、7月14日に自身のインスタグラムにて第一子を出産したことを報告した。その後宿泊していた産後ケアホテルから、当日についての詳細を語る動画を投稿。愛知県に住む夫・YouTubeグループのリーダーてつやに立ち会って欲しいという希望から、計画無痛分娩を選択したことを語った。

　前日は神社でお参りをし、屋台などを楽しんだようだが、その後「子宮が握りつぶされているような痛み」に耐え、翌日無事出産。「朝起きてからはスピード出産」と振り返った。

　ひとつとして同じお産はないという言葉があるが、それは芸能人であろうと例に漏れず当てはまる。峯岸は、お産を通して予想に反した状況を体験したようだ。出産後は涙を流しながら子どもと感動の対面を迎えると予想していたようだが、意外にも「思ってたやりとりはまったくなかった」ようで、てつやも子どもと対面した際は「人見知りしてた」と語った。思い描いていた感動的なシーンではなく「ちょっとだけ寂しい」と感じたようだ。てつやが到着してから多くの時間をかけずに出産を終え「二人三脚の時間が0分だった」のも、背景にあると考えられる。これもまた、リアルさを持った出産レポートだ。

　こうして、お産に緊張している様子や戸惑っている姿を見ると、タレントでありながらもひとりの女性として多くの視聴者に勇気を与えると同時に、視聴者と変わらない同じ人間だということが伝わってきて、芸能人だけどとても近い存在に感じる。また、出産を経た夫とのやりとりをする姿も、普段の活動からはなかなか見れるものではなく、限りなくプライベートの様子を視聴者は見ることができる。YouTubeというコンテンツがいまほど成長していなかったら、まず見ることのできなかった映像だろう。

　また、発信力のある芸能人がお産の体験や情報について発信してくれると、同じように妊娠・出産を控えている視聴者やそのパートナーにとっては貴重な情報源にもなる。ファンにとっては初めての姿や表情を見れるだけではなく、有益な情報にもなる芸能人の出産レポート。出産後、もし育児についての動画を投稿していくのであれば、それもまた子育て中の視聴者の手助けになるコンテンツへとなっていくだろう。今後YouTubeがさらに成長していくと同時に、これからも有益な発信が生まれ続けることを期待したい。