この10日間、ゲーマーの間で話題沸騰中の『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』（以下、『ゼルダの伝説TotK』）。前作『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』が高い評価を受けていたこともあり、発売前から期待作として注目されていた本作だが、蓋を開けてみればまったく別のベクトルで賞賛の声が挙がることとなった。

『ゼルダの伝説TotK』で制作された海賊船の画像まとめ（全11枚）

　本作の評価を確固たるものにしている要素、そのひとつが「クラフト要素」だ。もともと前作から集めた食べ物を組み合わせた調理や、魔物の素材を組み合わせた調薬の要素は存在していた。一方で、売却してルピーにするくらいしか用途が存在しないという素材も多く、「こんなに色んなものが拾えるのに、なにか使い道は無いのかな？」とどこか物足りなさを感じていたプレイヤーも多かったのではないだろうか。筆者も前作をプレイした際は「山の上にもちゃんとキノコ生えててすげー！」と興奮しつつ、インベントリに溜まっていく素材は定期的に換金するくらいしかしていなかった。

　しかし、本作『ゼルダの伝説TotK』は「スクラビルド」を用いることで、魔物素材を武器や弓矢と組み合わせられるようになった。それぞれの素材が持つ特性に応じて能力が変化し、単純に攻撃力が増すものから火や雷を発生させる、敵を追尾するなど、大幅に使い道が増えたことで、ようやくシリーズを通して多数登場する素材たちにも明確な役割が与えられた格好だ。

　さらに、リンクが手に入れた能力「ウルトラハンド」によってフィールド上に落ちている丸太をはじめ、さまざまな素材を用いて自由に乗り物や装置をクラフトできるようになった。ゲーム内に存在するありとあらゆるものを冒険に活用できるようになったことで、『Minecraft』などのサンドボックス系ゲーム顔負けの自由度を手にした本作。この「クラフト要素」にドハマりするプレイヤーの姿が数多くみられ、各SNSにおける本作のハッシュタグは各々のプレイヤーが創作した作例で溢れる結果に。

　そんな『ゼルダの伝説TotK』にドハマり中で、映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』をイメージした海賊船を制作したのが、Redditユーザー・Confident-Durian5558氏だ。少々サイズは小ぶりなものの、立派な帆を二反、左右に三門の大砲を備えるれっきとした海賊船だ。しかも、本船は二枚のスクリューによって自走し、大砲は自動照準で正確無比な一撃を敵に浴びせることができるのだから、かなり高性能な船体といえる。

　映像はリンクの乗る船が軽快に海を進むところから始まり、片舷に三門づつ備えられた大砲が周囲を軽快するかのように首を振るシーンが映し出される。カットを挟むと、海辺に建つボコブリンの拠点に見事な砲撃をくわえるシーンへ。先述したように、自動照準の大砲はなかなかの正確さを誇り、見た目こそ「海賊船」だが、左右のみならず上下にも対応する万能ぶりだ。

　投稿されたクリップには多くのコメントが寄せられ、「Where do you find actual boat bodies?（本体のボートどこにあるの？）」といった船に関するものから、「How the heck do you get so many batteries?!（なんでそんなにバッテリーあるんだ！？）」など投稿者のゾナウバッテリー容量の最大値に驚くものまでさまざまな反応が確認できる。ちなみに、『パイレーツ・オブ・カリビアン』のセリフから引用した「That's got to be the best pirate I've ever seen.（これまで会った中で最高の海賊です）」というコメントももちろん書き込まれていた。

　前作の期待値を大幅に上回った結果、もはや強大な敵・ガノンドロフとの戦いを描いたアクションRPGなんだか、リンクが珍妙な乗り物で陸・海・空を制するサンドボックスなんだか分からなくなってしまいそうな『ゼルダの伝説TotK』。少なくとも現時点で筆者が予感しているのは、前作同様、あるいはそれ以上に長く遊ばれるタイトルとなりそうであるということだ。……ただ、海に敵はあんまりいないと思うけどね。

〈Source〉
https://www.reddit.com/r/zelda/comments/13mri8q/totk_tears_of_the_carribbean_black_flag/