バーチャル表現への参入障壁が一気に下がるか? ソニーから小型&軽量なモバイルモーションキャプチャー『mocopi』発売決定

 ソニーは、独自技術を用いた小型で軽量なセンサーとスマートフォン(専用アプリケーション)のみで、モーションキャプチャーやVRへのリアルタイムなモーション入力を実現するモバイルモーションキャプチャー『mocopi』(モコピ)を発売する。

 本商品はソニーのインターネット直販サイト「ソニーストア」で購入・予約可能である。予約販売の受付開始は12月中旬を予定しているという。ソニーストア 直営店舗(銀座、札幌、名古屋、大阪、福岡天神)での展示はないそうだ。

 本商品は、全身の動きを含むアバター動画やモーションデータ制作を屋内外で手軽に実現するだけではなく、モーション入力デバイスとして、VRChat※2などの対応サービス※3でリアルタイムにアバターを操作することも可能だ。通常、モーションキャプチャーを用いた映像制作には、専用の設備やオペレーターが必要だが『mocopi』は、当社独自のアルゴリズムを活用することで、少ないセンサー個数で高い精度のモーション計測を実現している。VTuber※4や映画・アニメーション制作に携わるクリエイターを時間や場所の制約から解放することを目指しているという。

 また、取得したモーションデータを、メタバース向けサービスや3D開発ソフトウェア※3に連携できるソフトウェア開発キット(Software Development Kit, 以下SDK)を12月15日から提供が予定されている。本SDKは、仮想空間での映像表現の自由度を高めるほか、フルボディ(全身)トラッキングなどのモーションデータの活動用途を拡大することで、メタバースやフィットネスを含む領域での新たなサービスの開発が可能になるそうだ。

■以下、サービス連携を期待する企業からのコメント

VRChat Inc. CTO兼 共同設立者 ジェシー・ジョードリー氏

 VRChatは、PC用VRヘッドセットを用いたフルトラッキングの領域で業界を牽引してきました。今回、ソニーの『mocopi』の登場により、スタンドアローン型VRヘッドセット向けにも同機能を提供できることを嬉しく思います。市場には様々なVRヘッドセットが登場しています。『mocopi』と組み合わせて、あらゆるヘッドセットのユーザーにVRChatのフルトラッキング機能を存分に体験してもらいたいと考えています。

株式会社HIKKY CEO 舟越 靖氏

 ソニーのような国際的な企業が、スタートアップであるHIKKYやクリエイター達が奮闘する、勢いはあれど若い新市場に対して「攻めた」製品でアプローチしていただけることを大変嬉しく思っています。このようなデバイスは我々の手で開発・販売するにはハードルが高く、けれども市場の本質的な課題解決には必須のものです。日本が世界に誇るソニーの技術力やノウハウで提供される今回のデバイスは、多くのクリエイティブレボリューションの機会を創るものだと、確信しております。

※1 2022年11月29日時点。
※2 VRChat Inc.が提供するサービス。https://hello.vrchat.com/
※3 対応するソフトウェアやアプリケーションの詳細については、商品サイトをご覧ください。
※4 Virtual YouTuber(バーチャル・ユーチューバー)。オンライン上で、キャラクターの姿で活動する者のことを指します。

主な特長

1. 装着が容易な小型・軽量センサーで、データ取得やモーション入力が可能

装着が容易な小型・軽量センサー

 直径32mm×厚さ11.6mm、重さ8グラムの小型センサーを6か所(頭部、両手首、腰、両足首)に装着し、専用アプリケーションをインストールしたスマートフォンとBluetooth®接続することで、アバター動画とモーションデータの制作が可能に。
 データの取得には、ソニー独自のアルゴリズムを使用することで、少ないセンサー個数で高い精度のモーション計測が実現された。
 各センサーは、付属のマジックテープ式バンドやクリップで身体に容易に固定できることに加え、完全ワイヤレス型のため、電源やケーブルといった場所の制約を受けない。本商品とスマートフォンだけで、屋外でも手軽にモーションデータを制作でき、VRChatなどの対応サービスへモーション入力することも可能だという。

2. アバター動画の制作やデータ書き出しなどをスマートフォンのみで実現

スマートフォン上でアバター動画を制作

 専用アプリケーションでは、装着したセンサーから取得するデータを用いてアバターを操作し、スマートフォン上でアバター動画を制作できる。制作したアバター動画は、アプリケーション上でmp4などの動画データやモーションデータとして書き出し、スマートフォン上に保存できる。
詳細はこちらから: https://youtu.be/g0d-x0l2HtA

 

3. メタバース向けサービスや3D開発ソフトウェアと連携するSDKを提供開始

SDK提供により、フィットネス領域など新たなサービス開発も可能に

 『mocopi』で取得するモーションデータと、メタバース向けサービスや3D開発ソフトウェアを連携するためのSDKが12月15日から提供される予定だ。本SDKを利用することで、センサーから取得するモーションデータをPCでリアルタイムに受信し、UnityやMotionBuilder®などの3D開発ソフトウェア上で即時確認しながら編集できる事に加え、ソーシャルプラットフォームのアプリケーション経由で配信することが可能になるという。

詳細およびダウンロード:https://www.sony.net/mocopi-dev/(12月15日よりサイト公開予定)

4. 環境配慮への取り組み

プラスチック使用量ゼロ パッケージ(イメージ)

 ソニーグループでは、2050年までに環境負荷ゼロを目指す環境計画「Road to Zero」を策定している。この達成に向け、2025年度までに新たに設計する小型製品のプラスチック包装材全廃を目指しているという。本商品の個装パッケージはプラスチック使用量ゼロが実現しされている。

■商品概要
商品名:mocopi
型名:QM-SS1
発売日:2023年1月下旬
ソニーストア販売価格:49,500円(税込)※1
※1:2022年11月29日時点

関連記事