さらば、Appleの「5W電源アダプタ」。これまでの充電器の進化を振り返る

 Appleは日本を含む複数の市場にて、『Apple 5W USB電源アダプタ』の販売を終了した。最新のガジェットにあわせて、同社の充電アダプタはどのように進化してきたのだろうか。

息の長かったApple 5W USB電源アダプタ

iPhone 3GS

 Apple 5W USB電源アダプタが発売されたのは、なんと2008年の『iPhone 3GS』にさかのぼる。そして『iPhone 11』シリーズや『Apple Watch Series 6』まで、さまざまな製品に同梱され、あるいは単品として販売されてきたのだ。

 しかし最近はiPhoneでもApple Watchでも、充電器の同梱が終了している。すでに充電器を持っている多くのユーザーにとって、同梱される充電器が使われない「ゴミ」になってしまうのを防ぐためだ。

 このように充電器を省く流れはAppleだけでなく、Androidメーカーにも広がっている。メーカーにとっては資源の無駄を省けるだけでなく、製品コストの削減という意味もあるはずだ。

時代は高出力&USB-C

20W USB-C電源アダプタ

 Appleは2020年から、iPhoneやApple Watch、さらにはiPadも高速充電できる『20W USB-C電源アダプタ』の販売を開始した。その名のとおり、20Wでの高速充電に対応した製品で、充電ケーブルも最新のUSB-C規格に対応している。

 一方でサードパーティ製のスマートフォン向け充電器やAndroidスマートフォンをみてみると、その電源出力や充電速度は100Wを上回るものも出現している。これらと比較すると、20W USB-C電源アダプタのスペックはかなり見劣りがするのも事実だ。今後のiPhoneやiPadの充電スペックの向上により、さらなる大容量出力を実現した充電器が登場するかもしれない。

デュアルUSB-Cポート搭載35Wコンパクト電源アダプタ

 Appleの充電器に関する興味深い動きとして、2022年に発売された『デュアルUSB-Cポート搭載35Wコンパクト電源アダプタ』がある。同社はこれまではかたくなに、充電器に1つの出力ポートしか設けてこなかったが、このデバイスには2つ搭載している。今後はさらなる複数の出力ポートを搭載した製品の登場に期待したい。

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