2021Q1の新規加入者は大幅減

　先月20日には、Netflixは2021年第１四半期の決算を発表した。この決算の内容を報じたアメリカ大手メディアCNBCによれば、同四半期の世界におけるNetflix新規加入者数は、620万人と予想されていたところ、その予想を大きく下回る398万人であった。新規加入者の増加が鈍化したことが影響してか、決算発表後、同社の株価は11%下落した。

　もっとも、Netflix新規加入者数の鈍化は、直ちに同社の低迷を意味するものではない。Netflix新規加入者の推移をまとめた調査会社FactSetのグラフを見ると、確かに2021年第１四半期における新規加入者数は前年同時期に比べて大きく減少しているものも、前年同時期はちょうどコロナ禍が世界的に拡大した時期と重なる（下のグラフ参照）。

　2020年第１四半期の新規加入者数が飛び抜けて多いのは、ステイホームを余儀なくされた人々が大量にNetflixに加入した言わば「コロナ特需」だったからなのだ。したがって、2021年第１四半期の決算が意味しているのは、同社の成長鈍化というよりコロナ特需の終焉だろう。

　なお、決算をまとめた投資家向けのレターには、コロナ禍により発生した2020年のコンテンツ制作の遅延は、2021年後半には回復する、と述べられている。コンテンツ制作の遅延が解消すれば、新規加入者数は再び増加する可能性がある。

　以上のようにNetflixは2021年後半には再び勢いを取り戻すと予想されており、取り戻した勢いにのってN-Plusのような新機能を投入することも十分あり得るだろう。

トップ画像出典：protocol「Playlists and podcasts? Netflix is exploring developing ‘N-Plus’」より画像を抜粋

■吉本幸記
テクノロジー系記事を執筆するフリーライター。VR／AR、AI関連の記事の執筆経験があるほか、テック系企業の動向を考察する記事も執筆している。Twitter：@kohkiyoshi

〈Source〉
https://www.protocol.com/netflix-survey-nplus-show-playlists
https://www.protocol.com/netflix-testing-audio-only-mode
https://www.xda-developers.com/netflix-prepares-audio-only-mode-background-listening/?utm_content=buffereba37&utm_medium=social&utm_source=twitter.com&utm_campaign=buffer
https://www.cnbc.com/2021/04/20/netflix-nflx-q1-2021-earnings.html