THE YELLOW MONKEYが読売新聞(全国版)・西日本新聞に“AR広告”を掲載 コロナ禍でも揺るがないロックバンドとしての矜恃
本日11月3日の読売新聞(全国版)・西日本新聞に、ロックバンド・THE YELLOW MONKEYの全面広告が掲載されている。AR技術を使い、ライブの熱狂を伝える画期的な内容だ。
THE YELLOW MONKEYは本日、東京ドームで『30th Anniversary LIVE -DOME SPECIAL-』を開催する。昨年12月にスタートした結成30周年ツアーだが、今年4月に予定されていた東京ドーム2daysは、新型コロナウイルスの感染拡大により延期に。この広告には大きく「19,000/46,902 ここから始めます。」と宣言されており、通常約4万7000人を収容する東京ドームのキャパシティを1万9000人に限定せざるを得ない状況下でも、THE YELLOW MONKEYが前を向き、30周年にして新たなスタートラインに立つのだという決意が伝わってくる。
さて、広告の下部にはQRコードとともに、「スマホ画面で、ARが動く!」という文言が。さっそくスマートフォンで読み取ってみると、「サウンドをONにしてお楽しみください」という説明とともに、新聞広告を画面に映すよう指示される。
スタートボタンを押し、指定の範囲に広告を映してみると、東京ドームの上空から光が差し込み、文字とグラフィックが浮き出す。歓声とともに紙吹雪が舞い、そして聴こえてくるのは、吉井和哉の「Are you No.1 Rock'n Roll ASIAN, THE YELLOW~」という、ファンにはおなじみのコールだ。
続く「MONKEY!」という大歓声によるレスポンスは、会場に足を運ぶことができなくても、30周年ライブにファンが参加できるようにと、事前に展開されていた企画「Sing Loud! あなたの声を、会場へ、メンバーへ。」で集められたものとのこと。今回のライブはアニバーサリー&入場制限により、普段にも増してプラチナチケットになってしまったが、THE YELLOW MONKEYはすべてのファンをドームに連れて行くつもりらしい。
多くのユーザーがアクセスし、バイラル的に広がるウェブコンテンツとしてではなく、紙の新聞という、よりパーソナルな体験になりやすい“一期一会”感のあるメディアで、不意に発信されたメッセージ。ARというテクノロジーを使った施策だが、不思議とハンドメイドな温かみを感じてしまう。今後も、紙面/誌面の内容を文字通り立体的に伝え、“体験”として強調する広告コンテンツは、各業界で増加していくだろう。
いずれにしても、室内がいきなりライブ空間になったような熱気に、インディーズアルバム『Bunched Birth』からTHE YELLOW MONKEYを聴いてきた筆者は、思わず目頭が熱くなってしまった。今回の公演はもちろんSOLD OUTで、当日券の販売もないようだが、ライブストリーミングで視聴できる。まずはこのAR広告を自分の目で確認し、今夜のライブに備えてみてはいかがだろう。