「幕末志士」10周年記念のコラボカフェが展開 異色のゲーム実況コンビが愛され続ける理由は?
ニコニコ動画を中心に活動する人気ゲーム実況コンビ「幕末志士」(坂本龍馬・西郷隆盛)の活動10周年を記念するコラボカフェが、池袋のニコニコ本社で展開される。開催期間は11月13日(火)~28日(水)まで。席は完全予約制になっており、13日~21日分の席の予約が、本日2日18時より開始。ファンは早めにチェックしたいところだ。
そもそも「幕末志士」とは何者なのか、という基礎的な情報については、今年3月に公開された当サイト記事に詳しい。そこに付け加えるべき情報は少なく、半年以上が経過した現在まで、アップされたゲーム実況動画はたったの2本。「幕末志士達のPUBG実況プレイ #2」と「【幕末志士】剣豪【実況プレイ】」だが、両作とも当然のように、ニコニコ動画上だけでミリオン再生を突破している。
ただでさえ少ない動画は、公開予定が伸びに伸び、坂本がツイッターで謝罪するのが恒例で、人気者だけに「アンチ」も多い。しかし、それでも月額500円の有料チャンネルは盛り上がり続けている。チャンネルで行なわれているのは、主に週一回のラジオ放送。採算度外視のプレゼント企画もあるが、ファン以外には価値の薄いオリジナルグッズがほとんどだ。会員数は不明なものの、「応募者全員プレゼント」企画では2万人以上の応募があったことが明かされており、また有料会員限定のラジオ動画に100万再生を超えるものが出てきている状況からも、数万という単位であることは間違いない。週一回、1時間程度のラジオを聴き、そのアーカイブを楽しむために、月額500円を払い続けるファンがそれだけいるのだ。
人気の要因は第一に、当然ながらゲーム実況&トークの面白さだろう。「坂本龍馬・西郷隆盛になりきり、“ござる口調”で実況する」というのはおまけ程度の要素で、坂本の独特なワードセンスが光るマシンガントーク、西郷の誘い笑いを誘発するリアクション(ゲラ)は、凄まじいパワーを持っている。また、やり込みに定評があり、スーパープレイを連発する西郷と、口は達者だが結局かませ犬になる坂本ーーという、お決まりの構図も面白く、どんなゲームでもバグらせてしまう“公式泣かせ”のスキルもファンの楽しみだ。トークの面白さはラジオでいかんなく発揮されており、また西郷の狂気を感じさせる自作ゲームとともに、坂本が明かす若かりし日の黒歴史や陰キャラエピソードの数々、二人の貧しかった幼少期の逸話などが名物になっている。
そしてもう一つ、ファンが投稿したコメントやMAD動画からは、「坂本・西郷の関係性への憧れ」という要素も感じられる。幼馴染の二人は、西郷の転勤など“解散の危機”もなんのその、30代も半ばにさしかかろうかという年齢と思われるなかで、今も仲良く、大騒ぎしながら遊び続けている。圧倒的なエンターテイナーであり、天邪鬼な坂本を、誰よりも面白いと思ってついていく、多才ながら不器用で、何より優しい西郷ーー幕末志士としての活動で自分たちの懐にお金は入っていない、という坂本の言葉の真偽を確かめることはできないが、少なくとも彼らからは、「仕事仲間」という感覚は一切伝わってこない。二人が冗談めかしていうように、“竹馬の友”であり、“大親友”というのが自然だ。