自主規制に公的認証制度ーーマッチングサービス「健全化」への道のり

 また、これは「出会い系」的ないかがわしいイメージを完全に取り払うためのものでもあるだろう、アプリ、サイト、あるいは広告上で使用されるビジュアルやワードについても「健全な品質基準(UI/UX)」を定め、不適切な写真や言葉は使用できない運用を推進するとしている。いわば割れ窓理論で、小さくてもほころびがあれば、その“場”は荒れていく可能性がある。ユーザーのマインドを高く保つためにも、健全な空間づくりは重要だろう。

 さらに、「利用者への啓蒙・注意喚起」。比較的新しいサービスであり、利用経験が少ないユーザーも多いことから、トラブルに巻き込まれないためのリテラシー教育の機会を設けていく、ということだ。

 そして、上記のようにユーザーにとって安心なサービスを提供するべく、「継続的なサービス改善」を行うことが、7つ目の約束として掲げられている。こうした取り組みのなかで、サービスの質や信頼性を第三者が評価する「特定非営利活動法人 結婚相手紹介サービス業認証機構(IMS)」の認証に向けた協議が進んでいる状態だ。未成年のユーザーが金銭目的に異性とつながるような、悪い意味での「出会い系」的サービスも依然として存在しており、意図せず悪質なサービスを利用してしまう可能性を排除するためにも、やはり信頼性のある認証制度は必要不可欠だろう。

 AIなどの技術革新により、マッチングの精度が高まれば、思いもよらなかった好相性の相手と出会える可能性もあり、また市場が拡大するにつれ、これまで利用していなかったユーザーも取り込むサービス、あるいはよりターゲットが絞られたサービスも増加していくだろう。マッチングサービスの健全化/多様化が進み、幸福な出会いが数多く訪れることに期待したい。

(文=平沢花彩)

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