漫画村がアクセス不可にーー白熱する“サイトブロッキング”論のポイントを弁護士に聞く
さらに、ブロッキングでは根本的な問題が解決しない可能性も高いと、小杉氏は続ける。
「今回、漫画村にアクセス出来なくなっている理由はわかりませんが、サイトブロックに至る手続きをきちんと定めておかないと、結局は問題のあるサイトが出てくるたびにモグラ叩きが続くだけになり、また別の海賊版サイトが立ち上がってしまう可能性があり根本的な解決には至らないでしょう」
漫画村に代表される海賊版サイトによって、著作権が侵害されていることは間違いない。漫画家をはじめとする著作権者の権利を守るために、何らかの手立てを行う必要性があるのも事実であろう。しかし、明確な法的根拠が定まらないままにブロッキングが実施されると、それが前例となり、今後のネット文化の発展にも大きな影響を与えかねない。
また、現在はカナダの権利者(ハーレクイン社)の申し立てにより、グーグルの検索結果には「漫画村」は表示されていない。日本の権利者も同様の申請をしていたと見られ、政府は問題含みのサイトブロッキングの議論を始める前に、その後押しをするなどできることがあったようにも思える。
海賊版サイト問題はモグラ叩き状態になっており、漫画村が本当に閉鎖しているとしても、同様の問題は今後も生じるだろう。慎重かつスピーディに議論を進め、有効な対策を見つけたいところだ。
(文=平沢花彩)