『ウマ娘』は競馬史に残る名勝負をよみがえらせるーー第3話で描かれた皐月賞の再現度

 主人公のウマ娘・スペシャルウィークのデビュー戦における初の白星が描かれた『ウマ娘 プリティーダービー』(TOKYO MXほか)第二話に続き、4月8日に放送された第三話では弥生賞と皐月賞の模様が描かれ、そのレースの再現度の高さがSNS上で話題を呼んでいる。

 『ウマ娘 プリティーダービー』は、Cygamesによるスマートフォン向けゲームアプリを中心としたメディアミックスコンテンツ。馬の尻尾と耳を生やし、超人的な走力を有する“ウマ娘”たちが、国民的スポーツ・エンターテイメント<トゥインクル・シリーズ>へのデビューへ向けて特訓に励むというストーリーで、主人公のスペシャルウィークを始め、キャラクターにはJRA・地方競馬の実在の競走馬の名前が付けられている。その競走能力によってアイドル的な人気を誇る“ウマ娘”たちは、レースに勝利すると、 ”ウイニングライブ”と呼ばれるライブステージに立つ権利が与えられる。

 アニメ第二話、天性の末脚によって見事にデビュー戦を制したスペシャルウィークは今回、中山競馬場で行われるGIIの弥生賞に挑戦することになる。弥生賞は、3着までのウマ娘にGIの皐月賞への優先出走権が付与されるトライアル競走で、2000メートル芝という条件はどちらのレースも同じだ。このレースでスペシャルウィークは、一番人気のキングヘイローやセイウンスカイを抑えて一着となる。この結果に自信を持ったスペシャルウィークは、GIの皐月賞で単勝1番人気に推されるのだが、ラスト200メートルの“心臓破りの坂”でセイウンスカイたちに追いつくことができず、3着に終わる。

 このレースの結果は、まさに1998年に行われた弥生賞と皐月賞そのものである。しかもよく見ると、レースの模様を捉えるカメラのアングルや、実際に勝負をわけた瞬間まで忠実に再現されていることがわかる。SNSでは、当時のレースの映像との比較検証がなされ、「あの時のレースの興奮がよみがえった」「再現度がすごい」といった声が多く挙がっていた。物語の合間に一瞬、挟まれたサイレンススズカのレースも、競馬ファンから見ると1998年の金鯱賞だとわかるほどで、アニメ版『ウマ娘 プリティーダービー』が20年の時を経て、当時の人気競走馬たちの名勝負を再現しようとしていることが伺える。

 『ウマ娘』は、当時スペシャルウィークの騎手を務めていた武豊騎手をプロモーターに迎えており、Cygamesのコンテンツプロデューサーである石原章弘氏は武豊騎手に対して、「競馬に対して真摯に向き合っていることを伝えた」とのこと。また、TVアニメ『ウマ娘 プリティーダービー』のプロデューサーである東宝の伊藤隼之介氏は、「1998年は武豊さんにとっても、出演しているウマ娘、スペシャルウィークやサイレンススズカにとっても特別な年。20年が経過して少し風化していると思いますが、素晴らしい物語なので、思い出していただければ」と語っている。(参考:Abema Times「武豊がウマ娘プロモーターに就任!藤井ゆきよは「情報処理が追いつかない」と悲鳴 ゲーム事前登録も開始の『ウマ娘 プリティーダービー』特番が放送」

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