『VS嵐』なぜ10年も愛され続ける? “ゲームショウ”としての面白さを考察

 嵐が出演するバラエティ番組『VS嵐』(フジテレビ系)が、2018年4月12日の放送で10周年を迎える。嵐メンバーにプラスワンゲストを加えた嵐チームとゲストチームとが、番組オリジナル体感型ゲームで対戦する同番組。国民的アイドルグループである嵐の和気あいあいとしたコミュニケーションが見られること、旬なゲストの意外な一面が知れることなど、その魅力は多岐にわたるが、本稿では改めて“ゲームショウ”としての面白さに着目したい。

 ゲームショウの歴史は古く、1946年から1964年にかけて、NHKラジオ第1放送で放送されたクイズバラエティ番組『話の泉』が、日本国内における元祖だとされている。テレビにおけるゲームショウの草分けは、1953年から1968年にかけてNHKで放送された『ジェスチャー』で、同番組はテレビの特性を活かし、視聴者が応募した問題を解答者がジェスチャーのみで表したところが革新的だった。ここから、“視覚的に楽しめる”ことに重きを置いた数多くのゲームショウが生まれ、『底ぬけ脱線ゲーム』(日本テレビ系/1963年~1973年)や『痛快なりゆき番組 風雲!たけし城』(TBS系列/1986年~1989年)などに見られる、参加者が体を張って挑戦するゲームが定番化していく。『VS嵐』の“体感型ゲーム”は、こうした系譜に連なるものである。

 公式サイトによると、『VS嵐』で行なわれているゲームは、以下の18種類だ。

1:ボンバーストライカー…6つのレーンからボウリングのボールを投げ、ベルトコンベアに乗って流れてくるピンを倒す。

2:バルーンシューティング…ターゲットの黄色風船を制限時間内に吹き矢を使っていくつ割れるかを競うゲーム。

3:ストーンバスター…各チーム8個のストーンをポケットにバスターし合う(落とす)ゲーム。

4:GoGoスイーパー…両チーム2台ずつスイープカートを操り、フィールドに投入されるボールを四隅のゴールに入れる対戦ゲーム。

5:ポップコーンヒッター…プレイヤーは、通称「フライパンステージ」に立ち、曲に合わせて打ち上がってくる球を、ラケットを使って正面のポイントゾーンに入れる。

6:ショットガンディスク…パサー、シューター、レシーバー、バズーカーが協力し、レシーバーが飛び交うディスクをどれくらいキャッチできるかを競うゲーム。

7:コロコロバイキング…斜面を転がってくるボールを落とさないようにゴールまで運ぶゲーム。

8:キッキングスナイパー…ベルトコンベアーに乗って流れてくるターゲット(缶)をプレーヤーがボールを蹴って倒すゲーム。

9:デュアルカーリング…10秒に1回交互にレーンを塞ぐ「KEEP OUTゲート」が開いた瞬間を狙い、ストーンを投げるゲーム。

10:ジャングルビンゴ…3人同時に縦5マス×横5マス×奥行き5マス、全面アクリル高さ6mの超巨大立体迷路を頂上目指して登っていく。

11:バウンドホッケー…巨大ホッケーリンク上で、チーム代表6名が1つのパックをリレーでつなぎ、ゴールに入れるゲーム。

12:ジャイアントクラッシュ…ステージ上の巨大オブジェを、倒さないように支えている縦8本×横8本並ぶ計64本のブロックを抜いていく。

13:バンクボウリング…高台からバンクに向かってボールを投げ、Uターンさせて星形に並んだピンを倒す。

14:ジャンピングシューター…嵐チーム、ゲストチームがシューターとキーパーに分かれ、2対2で戦うゲーム。シューターはトランポリンを使ってジャンプをして、上下に分かれているゴールに向かってシュートを打つ。

15:ピンボールライナー…巨大ピンボール台から転がり落ちてくるボールをキャッチするゲーム。

16:フォ~リングパイプ…1人のプレイヤーが4本のポールの中に立ってスタンバイ。相手チームの1人は4本のうちパイプを落とす2本のポールを選択しボタンを押す。プレイヤーは落ちてきたポールをキャッチし、キャッチした箇所と本数によってポイントが決まる。

17:クリフクライム…制限時間120秒以内に2人で登るリレー方式。1人目が登りきったら頂上からジャンプして次のクライマーにバトンタッチ。

18:ローリングコインタワー…各チーム2人がそれぞれ対角線上に立ち、回転するテーブル上にコインを順番に積んでいく。

 こうして並べてみると、『VS嵐』のオリジナルゲームにはいくつかの共通点が見えてくる。

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