ジェスチャーで演奏が可能にーー“魔法の指輪”Waveが示す新しい音楽体験

 昨年、スウェーデン神経科学研究所からある楽器に関する研究結果が発表された。『エンセファロフォン』と名付けられたその楽器は、「脳波」だけで演奏ができるハンズフリーの楽器だ。そもそも脳波を音色に変換しようという試み自体は1930年代から行われてはいた。だが、脳波だけで演奏レベルまでコントロールするのは非常に難しい。このエンセファロフォンは、視覚野と身体的な運動に関連する脳波の2つを楽譜に変換することでシンセサイザーを操作する。

 これは脊椎損傷やALSなど体を動かすことが難しい患者に対してのリハビリテーションへの利用が想定されているそうだが、より精度が向上することで本格的な演奏も可能になるはずだ。演奏に身体すら必要がなくなる未来はどこか寂しく物足りなさを感じる一方で、自由度の増した表現に溢れているようにも思う。

■げんきくん
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