『遥かな町へ』錦織良成監督が閉館間近のシネスイッチ銀座に感謝 「大きな声でありがとう」

『遥かな町へ』シネスイッチ銀座で舞台挨拶

 映画『遥かな町へ』の大ヒット御礼舞台挨拶が10月23日にシネスイッチ銀座にて開催され、監督を務めた錦織良成、音楽を手がけた作曲家の瀬川英史、聞き手として映画評論家の北川れい子が登壇した。

 本作は、『孤独のグルメ』『神々の山嶺』で知られる漫画家・谷口ジローの同名漫画を日本初実写化した大人の青春物語。48歳の主人公が1963年の中学時代にタイムスリップし、人生の選択を見つめ直していく姿を描き出す。

北川れい子

 映画評論家の北川は、本作に流れる音楽を絶賛。これを受け錦織監督は、同曲をジュゼッペ・トルナトーレ監督の『ニュー・シネマ・パラダイス』をイメージして制作したことを明かした。『ニュー・シネマ・パラダイス』といえば、この日舞台挨拶が行われたシネスイッチ銀座でロングラン上映され、同劇場の歴代動員記録を持つ記念碑的作品でもある。

(左から)北川れい子、瀬川英史

 作曲を手がけた瀬川は、このオーダーについて「映画音楽に携わる人間にとって、『ニュー・シネマ・パラダイス』の名前を出されるのはすごいプレッシャーでした」と本音を吐露。脚本の段階ではイメージがぼんやりしていたというが、実際に撮影現場である倉吉を訪れたことでインスピレーションを得たといい、「映像や現場を実際に見てみると、家族の関係性もすぐによく分かりました」と振り返った。

錦織良成監督

 また、映像面での話題に移ると、錦織監督はCGに頼りすぎない「アナログ」への強いこだわりを口にした。「できる限り倉吉の街並みを活かし、衣装やメイクも含めてマンパワーで昭和の世界をリアルに作り上げました。グリーンバックで撮るのと、実際に重みのあるセットの中で役者さんがお芝居をするのとでは、やはり違うと思うんです」と、実写化におけるリアリティの追求について振り返った。

 そして今回のイベントは、10月25日をもって71年の歴史に幕を下ろすシネスイッチ銀座で開催されたこともあり、劇場への感謝の思いが溢れる場となった。北川は「映画と映画館は密接に関係していて、“あの映画を観たのはあそこの映画館だった”という記憶が残るもの。本作を思い出すとき、このシネスイッチ銀座を思い出していただければ」と観客に語りかけた。錦織監督も、自身の青春時代から良質な映画を届け続けてくれた同劇場への思い入れを明かし、「このシネスイッチ銀座に『ありがとう』と大きな声で言いたいです」と深く感謝を示した。

錦織良成監督

 最後に錦織監督は、「本作は、なぜお父さんが出て行ったのか、もやもやする部分があるかもしれません。しかし、インパール作戦を生き抜いた背景など、教科書にはない歴史を振り返ることで様々な想像ができるはずです。結論を急がない物語の中に、谷口ジロー先生からの大きなメッセージがあると思っています。ぜひ2回、3回と観ていただければ嬉しいです」と観客に温かいメッセージを届けた。

■公開情報
『遥かな町へ』
全国公開中
出演:大谷亮平、及川桃利、磯谷萌々子、戸田菜穂、滝藤賢一
脚本・監督:錦織良成
原作:谷口ジロー
音楽:瀬川英史
エグゼクティブプロデューサー:山本敬
企画プロデュース:結城豊(ANOSA)
プロデューサー:安川唯史
制作:goen
製作:BARCOS
配給:ムービー・アクト・プロジェクト
配給協力:渋谷プロダクション
2026年/日本/カラー/シネマスコープ/126分/PG-12
©2026 映画「遥かな町へ」BARCOS
公式サイト:https://harukanamachie.jp
公式X(旧Twitter):@harukanamachie
公式Instagram:@harukanamachie

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