配信時代だからこそ価値がある 「東映特撮Blu-ray化 PROJECT!」の背景と意義を紐解く
さらに第1回投票の最終候補作品の中から、『ジャイアントロボ』と『時空戦士スピルバン』の発売も決定。どちらの作品も、東映に残る貴重なネガフィルムから起こした4KネガスキャンHDリマスター版だ。『ジャイアントロボ』(1967年)は、同じ東映作品『悪魔くん』(1966年)や『仮面の忍者 赤影』(1967年)で築いたノウハウで、ミニチュアを駆使した巨大ロボットと敵怪獣の戦いを描いており、オープニングに流れるロボの出撃シーンは現在の目で観ても良く出来ている。1970年代の特撮番組は、ヒーローが命を捨てて最後の敵を撃破する自己犠牲型の最終回が多いのだが、東映作品のみに限定しても『アクマイザー3』(1975年)、『宇宙鉄人キョーダイン』(1976年)、『大鉄人17(ワンセブン)』(1977年)などが挙げられる。1967年放送の『ジャイアントロボ』は、主役キャラクターが我が身を犠牲にして世界を救う、ヒロイックな幕切れの走りと言える作品だろう。主題歌の口笛アレンジ曲をバックに、大作少年の制止も聞かずに敵を抱えて飛んで行く、ロボの最期の雄姿は忘れがたい。本作のプロデューサー平山亨は、「子どもたちが入れ込んで観ていたロボを自爆させるなんて……」と周囲の大人たちから言われ、視聴者を悲しませたことを反省したと生前に語っている。
『時空戦士スピルバン』(1986年)は、『宇宙刑事ギャバン』(1982年)に端を発すメタルヒーローシリーズの第5作。それまでのメタルヒーローは主演俳優がJAC(ジャパンアクションクラブ)所属で、ヒロインはアクション畑ではない女優という組み合わせだったが(シリーズ第3作『宇宙刑事シャイダー』のみ逆パターンで、ヒロイン側がJAC所属)、『スピルバン』はヒーロー側メインキャスト3名が全員JACのアクション俳優で、なおかつ渡洋史はメタルヒーローで3度目の出演、2度目の主役。同シリーズの中では初めて、ヒロインの澄川真琴もメタリックなコスチュームをまとって戦うキャラクターを演じ、アクションの見せ場が多くて作品全体にも華がある。主人公の実姉役の森永奈緒美も同シリーズでは2度目のレギュラー、敵幹部には東映特撮で数多くの魔女役を演じた曽我町子と、馴染みのあるキャストとスタッフでメタルヒーローの集大成を目指した。すでに公開されているHDリマスターの映像は『ジャイアントロボ』ともども、放送当時のフィルムとは比較にならないほど美しい発色で、発売が待ち遠しい。東映特撮YouTubeOfficialで現在配信中の『スピルバン』4KネガスキャンHDリマスター版の第1話は、スピルバンのアップ用スーツがギラギラ光っていて凄いぞ!!
そしてなんと! このBlu-ray化プロジェクトが、「みんなで決めよう!東映特撮Blu-ray化 PROJECT!2026」と題して、2026年も開催される運びとなった。気になる候補作品は、以下の10作品だ。
●『キャプテンウルトラ』(1967年)
●『超人バロム・1』(1972年)
●『イナズマン』(1973年)
●『ロボット刑事』(1973年)
●『ザ・カゲスター』(1976年)
●『大鉄人17』(1977年)
●『宇宙からのメッセージ銀河大戦』(1978年)
●『兄弟拳バイクロッサー』(1985年)
●『超人機メタルダー』(1987年)
●『ビーロボカブタック』(1997年)
1960年代から1990年代まで幅広くチョイスされた10作品。『イナズマン』は、ハード路線の続編『イナズマンF(フラッシュ)』(1974年)も人気だが、前作の方もミュータンロボットの不気味な造型と、石ノ森章太郎風味が味わえる少年同盟のコスチューム、イナズマンが搭乗する牙を持つ車ライジンゴーのデザインセンスなど見どころが多い。変身ヒーローブームの中にあって、変身しないキャラクターの『ロボット刑事』と『ザ・カゲスター』、それに『ジャイアントロボ』の遺伝子を受け継ぐ『大鉄人17』、現在はハリウッドで活躍している真田広之が若かりし頃に出演した『宇宙からのメッセージ銀河大戦』、骨太なドラマ作りに挑んだ『超人機メタルダー』など、改めて観直したい作品が目白押しだ。
序文に映像ソフトメディアが押され気味と書いたが、そういう時代にあえて4KネガスキャンHDリマスターの予算を組んで、ファンに喜ばれるソフト化を考えるメーカーを我々は応援しなくてはならない。流通を東映ビデオ オンラインショップに限定しているのは、ひとえに莫大なリマスター費用を賄うための苦肉の策でもある(逆に予約動向がダイレクトに反映されるため、予約が好調であればジャイアントロボの三方背BOXや映像特典のように後から特典が追加されたりもする)。「みんなで決めよう!東映特撮Blu-ray化 PROJECT!」の次のリマスター化作品は、あなたが投じる1票で決まるかもしれない。果たして2026年度の投票によって選ばれる作品は、上記10作品のどれだろうか。
参照
※ http://animationbusiness.info/archives/17116
東映特撮Blu-ray化 PROJECT!特設サイトはこちら
■リリース情報
東映特撮Blu-ray化 PROJECT! 第1回 Blu-ray化 第2弾
【東映ビデオオンラインショップ限定商品】『ジャイアントロボ』Blu-ray BOX
7月8日(水)発売
価格:35,200円(税込)
品番:BSTD41245
予約サイト:https://shop.toei-video.co.jp/products/bstd41245?utm_source=realsound.jp&utm_medium=referral&utm_campaign=202607_acq_tokusatsu-spielban_ltd
〈注意事項〉
・4KネガスキャンHDリマスター
・初回生産限定につき、ご予約いただかないと入手困難になる場合がございますので、お早めのご予約をおすすめいたします。
・購入ポイントは付与されません。
・利用規約にご同意いただいた上でご注文いただきます。
※クレジットカードにてご注文された場合、 原則としてご注文確定後数日以内に、決済処理等の状況によっては発売日までの任意の時期に決済を確定させていただきます。
〈封入特典〉
・三方背BOX ※追加特典
・新規制作ブックレット(24P)
〈映像特典〉
・ジャイアントロボメモリアル ※追加特典
・メイキング・オブ・ジャイアントロボ ※追加特典
※2000年1月にVHS・LD発売されたものを、SD画質で再収録。全26話を60分にまとめた総集編「ジャイアントロボメモリアル」と、平山亨(プロデューサー)や折田至(監督)をはじめとしたスタッフが、貴重な証言で当時を振り返る「メイキング・オブ・ジャイアントロボ」を収録。
【東映ビデオオンラインショップ限定商品】『時空戦士スピルバン』Blu-ray BOX
10月14日(水)発売
金額:57,200円(税込)
品番:BSTD41246
予約サイト:https://shop.toei-video.co.jp/products/bstd41246?utm_source=realsound.jp&utm_medium=referral&utm_campaign=202607_acq_tokusatsu-spielban_ltd
〈注意事項〉
・4KネガスキャンHDリマスター
・初回生産限定につき、ご予約いただかないと入手困難になる場合がございますので、お早めのご予約をおすすめいたします。
・購入ポイントは付与されません
・利用規約にご同意いただいた上でご注文いただきます。
※クレジットカードにてご注文された場合、 原則としてご注文確定後数日以内に、決済処理等の状況によっては発売日までの任意の時期に決済を確定させていただきます。
〈封入特典〉
・新規制作ブックレット(16P予定)
・その他特典追加予定
〈映像特典〉
・対談(渡洋史+澄川真琴 前編)
・対談(渡洋史+澄川真琴 後編)
・対談(吉川進+水木一郎)※2005年発売のDVDに収録されていたものとなり、SD画質での収録になります。
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