飯豊まりえ、『泉京香は黙らない』は「全員の熱量が詰まった作品」 “運命”の役を演じて
『岸辺露伴は動かない』シリーズから、待望のスピンオフドラマ『泉京香は黙らない』が誕生した。主人公を務めるのは、露伴(高橋一生)の担当編集・泉京香(飯豊まりえ)。新人漫画家・西恩ミカ(堀田真由)と、その双子の兄・奏士(寛一郎)。決して覗いてはいけない怪異を前に、京香特有の「圧倒的な陽のパワー」は一体どう立ち向かうのか。制作陣たちからも「泉京香そのもの」と評される飯豊まりえに、スピンオフで主演を務めることへの思い、シリーズへの思い入れなどをじっくりと聞いた。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】
【写真】モノクロの幻想世界 飯豊まりえインタビュー撮り下ろしカット(全12枚)
積み重ねてきた時間の長さが成立させた「泉京香」
ーー『岸辺露伴』シリーズの最新作であり、主演として臨んだ『泉京香は黙らない』の率直な手応えからまずはお聞かせいただけますか。
飯豊まりえ(以下、飯豊):また新たな、“スピンオフのスピンオフ”として、とても素晴らしくて面白い作品になっているという確信があります!
ーー飯豊さんはこれまで多くの作品に出演し、主演作や代表作もたくさんありますが、やはりこの「泉京香」という役柄、『岸辺露伴』シリーズはご自身にとって少し違う位置づけの作品になっていますか?
飯豊:そうですね。『岸辺露伴』シリーズは特別ですし、私だけではなく、スタッフ・キャストの皆さんもそう思っているのではないかというくらい、一定以上の熱量を持ち続けて作品と向き合っています。そういった現場はなかなかないので。みんなが「本当にいいものを作ろう」とリスペクトを持って、適材適所でそれぞれの役割と向き合っています。そんな作品がこんなに長く愛されて、また違った形で新作を送り届けることができることを本当に嬉しいですし、大切にしたいです。
ーー監督・脚本を務めた関(友太郎)さん、平瀬(謙太朗)さんに取材をした際、「今回の作品はかなり怖い方向に振っているけれど、それが成立しているのは京香がいるからだ」とおっしゃっていました。
飯豊:嬉しいです。京香は制作陣の皆さん、そして視聴者の皆さんに育てていただいて、みんなで作ったキャラクターだと思います。荒木先生をはじめ、これまでのシリーズを手がけていただいた監督の(渡辺)一貴さん、脚本の小林靖子さんが作ってくださった下地があったからこそ、今回のお話が生まれたと思います。そこに5月の関さんと平瀬さんがまた面白い物語を作り上げてくださいました。視聴者の皆さんがどんな反応をしてくださるのか、非常に楽しみです。
ーー関さんと平瀬さんは飯豊さんのことを「リアル京香」とも評していたのですが、ご自身でもそう感じるところはありますか?
飯豊:似ているところはあるかもしれないですね。以前、先輩の俳優さんに「(芝居は)あくまでも自分の根底にあるものが出てくるんだよ」と教えていただいたときに、「ああ、そうか」と腑に落ちたんです。確かに台本には役の言葉が書いてありますが、語尾や声など、どうしても自分の癖みたいなものは出てくるじゃないですか。自分の体という楽器から出る音だと思うので、どんなに別人になろうと思っても、普段の生活や自分の人生で得たものが少し滲み出てしまう。長く京香を演じさせていただいているからこそ、意識的にも無意識的にもシンクロしているような感覚はあるかもしれません。これは他の作品ではなかなかないことで、積み重ねてきた時間の長さが京香を成立させるうえでとても大きいように思います。
ーーそんな中、今回はシリーズでもっとも怖く、ホラー作品と言っても過言ではない物語だと感じました。
飯豊:台本を読んだとき、私も本当に怖かったです(笑)。これまでのシリーズでは、京香はどちらかというと明るい「陽」の場面で出てくることが多かったんです。でも今回はかなりホラー要素が強いので、ずっと緊張感や不安が漂う場面に京香が登場すること自体が新鮮でした。もちろん明るい京香らしさが見られるカットも撮っているので、これまでの良さと新しい要素が上手く融合されているんじゃないかなと思います。
ーー下手をしたらトラウマになるぐらいの怖さがあると思いつつ、そんな中で泉京香という人がいてくれると、観るほうも「大丈夫だ」という安心感がありますよね。
飯豊:そうですね。そして、本作では怖さだけではなく、儚さや兄妹愛なども描かれています。また、編集者としての京香の優しさや、仕事に対する向き合い方なども見られます。恐怖だけでなく、そういった日常的な部分も描かれているんです。これが映像になったらどんなふうになるんだろうと撮影中もワクワクしていました。