宮舘涼太という現代の“必殺仕事人” 『タミ恋』で表現する無機質と温もりの“二面性”

 本作では、元カノ・夕里子(山下美月)への未練と執着に狂い、周囲を翻弄していく北斗を怪演。再会した夕里子を前に「相変わらず、綺麗だ……」と呟くその声は、どこか危うく、底の見えない狂気を孕んでいる。その後も、北斗の奇妙な言動に戸惑いながら、物語は静かに深みへと進んでいく。怪しいはずなのに、どこか艶を帯びたその声に引き寄せられ、気づけば私は、宮舘が演じる「北斗」という深い闇を秘めた存在に、ゆっくりと足を取られていた。

 とりわけ、久喜(水上恒司)に向かって「宮舘の王子様キャラを完全に消した」状態で、「お前、邪魔なんだよ……」とうめくように迫るシーンには王子様の面影は一切なかった。愛する人への執念だけがむき出しになっている姿を見た瞬間、その鬼気迫る様子に、思わず背筋がゾクリとした。

 執念というものは、実に恐ろしい。とくに恋愛にまつわるものは。王子様のようなキャラクターと「執着」は相反すると思っていたのに、宮舘が見せたねっとりとした執着の演技は、驚くほど自然で、そして妙にハマっていた。

『大奥』“定信”宮舘涼太が見せた2つの顔 “お知保”森川葵は苦しみからようやく解放される

人を人とも思わぬ冷酷な表情と、貧しい子供たちに向ける慈愛に満ちた微笑み。どちらが彼の本当の顔なのだろう。『大奥』(フジテレビ系)…

 ドラマ『大奥』で演じた定信は、じっとりとした執着心の奥にうごめく「狂気」を静かに滲ませていた。倫子に「この城から出て行っていただきます」と追い詰められた瞬間、丸く見開いた目とは裏腹に、口元をひきつらせて放った「はははは!」という乾いた笑いは、今でも耳にこびりついている。

 その後、定信は「もし世継ぎに選ばれていたら、倫子と自分は上手くいっていたのか」という切ない恋心を一瞬だけ覗かせる。狂気を孕んだ瞳のまま、ふっと影を落とすその横顔は、不遇な背景が滲んでいて、なんだか切なくなった。

 宮舘の魅力は、どれほど狂気じみた役を演じても、ふとした仕草の端々に漂う「品」が消えないことだ。悪役であっても、どこかに気品の残り香があるせいか、観ている側は不思議と安心してスクリーンに身を委ねられる。実は、長く作品を見続ける上で「安心して見られる存在」であることは、役者として大きな強みだ。老若男女を問わずファンを惹きつける理由も、まさにその点にあるのだろう。

 第1話のラストでは、鍋をこぼしたくるみのピンチを救うため、エータが壁を突き破り、むき出しになった「青く光る腕」を見せる衝撃的なシーンが描かれた。第2話の予告では、エータが「彼女は私にとって、最重要人物です」と穏やかな口調で周囲に告げる様子や、指を高速で動かすシーンなどが映し出される。その姿には、「ヒーロースペック高めだ……」と思わず声を漏らす人物もいたほどだ。

 どうやら次回も、くるみに新たなピンチが訪れそうだ。そのときエータは、どんな方法で彼女を救い出すのか。ロボットらしさと人間味の狭間で揺れ動くエータの行動から、ますます目が離せなくなりそうだ。

■放送情報
オシドラサタデー『ターミネーターと恋しちゃったら』
テレビ朝日系にて、毎週土曜23:00〜放送
出演:宮舘涼太、臼田あさ美、松倉海斗、長井短、矢吹奈子、水嶋凜、山﨑静代、勝村政信
脚本:関えり香
演出:宮田和弥、飛田一樹、竹園元(テレビ朝日)
音楽:沢田完
プロデューサー:神田エミイ亜希子(テレビ朝日)、島本講太(ストームレーベルズ)、石塚清和(ファインエンターテイメント)、卜部龍(ファインエンターテイメント)
制作:ファインエンターテイメント
制作著作:テレビ朝日、ストームレーベルズ 
©︎テレビ朝日
公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/tamikoi/
公式X(旧Twitter):https://twitter.com/oshidoraEX
公式Instagram:https://www.instagram.com/oshidora_ex/
公式TikTok:https://www.tiktok.com/@oshidora_ex

関連記事