あの、ドラマ『惡の華』で仲村佐和役に挑む必然 「僕とリンクする」過去と魂の救済

 かつてアニメ化、実写映画化もされた押見修造の人気コミック『惡の華』が、実写ドラマとして再び蘇る。今回の実写ドラマにおける最大の注目ポイントのひとつは、主人公・春日(鈴木福)を支配する独裁的なヒロイン、仲村佐和役をあのが演じることだろう。「かつて自分も仲村さんのように生きていた」と語る彼女にとって、この役は単なる演技を超えた、自身の“魂の救済”にも似た挑戦だという。極寒のなかでの取っ組み合いや罵倒など、過酷な撮影現場で彼女が見つけた“芝居の楽しさ”と、表現者としての新たな覚悟に迫った。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】

「演じながら自分とリンクしてしまう瞬間がかなりある」

ーーあのさん自身、原作の大ファンだそうですね。今回、仲村佐和という強烈なキャラクターを演じる上で意識していることはありますか?

あの:仲村さんは叫んだり感情を爆発させたりするシーンが多くて、一見すると「狂っていて怖い」と思われる役柄で。でも、ただ狂っているだけじゃなくて、彼女が世の中に対してどう感じて、どう立っているのかという“心の在り方”を一番大事にしています。それを忘れないように演技することを心がけています。

ーー撮影現場で感じた“気づき”はありましたか?

あの:すごく学ぶことが多いですね。単なる演技ではなく、相手役との“会話”なんだという感覚。感情のぶつかり合いのなかにどうグラデーションを作っていくかなど、細かい部分をどんどん吸収している感覚です。

ーーご自身を役に投影しているのか、それとも全く別の人間として演じているのか、どちらに近いでしょうか。

あの:基本的には別の人間として演じていますが、今回はどうしても切り離せない感覚があります。原作を読んだときから「これ、経験したことあるな」と共感する部分が多すぎて。周りが異常に見えて、自分だけが普通だと思っているような感覚。演じながら自分とリンクしてしまう瞬間がかなりありますね。

ーー以前から周囲の方に「仲村さんにそっくり」と言われていたそうですね。

あの:そうなんです。今よりもっといろんな渦に巻き込まれていて、いろんな感情を抱えながら生きていた時期に、当時は漫画もそんなに読んでいなかったんですけど、僕を知っている身近な人たちから「この漫画、ナンバーワンだから読んでみて」と薦められたのが『惡の華』でした。当時から「仲村さんみたい」ってめちゃくちゃ言われてたんですよ。それで読んだのがきっかけでした。当時も今も、別に仲村さんと僕が同じだとは思っていないんですけど、春日も含めてすべての登場人物が他人とは思えなかったし、こういう人っていっぱいいるんだろうなと不思議な縁を感じていました。

ーー情報が発表された際、「体当たりで撮影に挑ませていただきました」とコメントされていましたね。

あの:夏の設定のシーンを秋から冬にかけて撮っているので、寒さのなかで叫んだり、(鈴木)福くんと取っ組み合いをしたり……(笑)。体力勝負なところはありますが、だからこそ限界の状態が演技にうまく出ているのかなと思います。

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