早見沙織「音と絵の相乗効果で曲が育った」 『超かぐや姫!』ボカロ名曲カバーの裏側
Netflixにて世界独占配信中のアニメ『超かぐや姫!』。スタジオコロリドとスタジオクロマトが制作を手がけ、山下清悟が監督を務めた本作は、誰もが知る古典『竹取物語』をベースに、最先端の映像表現と音楽を融合させた全く新しいエンターテインメント作品だ。
物語の鍵を握るカリスマ的なキャラクター、月見ヤチヨを早見沙織が演じる。劇中では「ワールドイズマイン」や「メルト」といった伝説的なボーカロイド楽曲をカバーし、さらにはEDテーマでBUMP OF CHICKENの「ray」のカバーを歌い上げるなど、その歌唱力が作品の重要なピースにもなっている。
本インタビューでは、楽曲制作の裏舞台や楽曲カバーにあたっての試行錯誤、さらには物語の核心に触れるヤチヨの役作りについて、早見自身の音楽に対する深い情熱とともにじっくりと話を聞いた。【インタビューの最後には、サイン入り色紙プレゼント企画あり】
有名楽曲を歌ううえでのプレッシャー
——本作では早見さんの歌唱シーンが何度も登場します。ご自身の歌がアニメで流れているのを観てどう感じましたか?
早見沙織(以下、早見):映像を通して、音と絵の相乗効果で曲の持っている魅力がぐんぐんと育っていったと感じました。レコーディング時点でどのようなシーンで流れるのかは伺っていましたが、完成映像までは観ていなかったので、序盤の「星降る海」のライブシーンを観て本当に感動しました。
——映像がなかったとは思えないほど、早見さんの歌と映像がすごくマッチしていました。
早見:実はアニメ本編の収録前に、長い時間をかけて楽曲の収録をしていました。本編シーンについては、一番初めに仮アフレコとして数シーンだけ収録していたのですが、楽曲の収録から本編の収録を始めるまでには半年以上の時間が経過しています。その半年の間で楽曲レコーディングを進めており、その際に楽曲のリストを頂きました。「ワールドイズマイン」は初期からリストに入っていた楽曲なので、制作チームのこの曲に対する思いは非常に大きいのだろうと感じていました。楽曲のブームをリアルタイムで経験していた世代のスタッフさんが物語を作り、楽曲をセレクトしていらっしゃるので、“間違いない”曲ばかりが集まっています。
——EDテーマのBUMP OF CHICKEN「ray」のカバーも含めて、ある世代には本当に刺さる曲ばかりでした。
早見:BUMP OF CHICKENといえば言うまでもなく“レジェンド”アーティストで、藤原基央さんのあの素敵な声の響きは耳に残りますし、あの歌声だからこそ生まれる説得力があると思いますので、真似をすることは決してできません。だからこそヤチヨとして、そしてかぐやとして歌う夏吉ゆうこさんと一緒に歌うことで、その声が重なったときに完成すると考えたらよいのではないかと感じていました。全部を自分で完成させようというよりは、もう一人、誰かの思いが一緒に乗ることでエンディングとして完成してくれたらいいなと思っています。
——ボーカロイド楽曲をカバーする上で試行錯誤したことはありましたか?
早見:「ワールドイズマイン」もそうですし、「Tell Your World」をはじめとした「歌ってみた」の楽曲もとてつもない人気がある有名楽曲で、世界中でたくさんの方がカバーしているのでプレッシャーもありました。最初はボーカロイドが歌っているテンションや、この曲が持つ魅力にどのように合わせていけばいいのかを相談させていただいていたのですが、やはり様々な方がその人に合ったニュアンスやキーで歌ってきた曲ですから、私も「ヤチヨならどのような思いで歌っているのか」「どのようなシーンで流れるのか」ということに焦点を当てて歌うようになりました。声質についても“ヤチヨとしての”バリエーションを複数作っています。