『あんぱん』闇市にイケメン、妻夫木聡と高橋文哉の足どりを追う 嵩の恋模様にも注目
掃き溜めに鶴、闇市にイケメン。『あんぱん』(NHK総合)第77話では、嵩(北村匠海)と八木(妻夫木聡)の再会が描かれた。
闇市で子どもたちにパンを与えていたのは、八木その人だった。八木の姿を認めた嵩は、離れた場所からじっと見ていた。命からがら戦地から戻ってこられたのは、八木が言ったように、生き残るために時として卑怯になることも厭わなかったからだろう。嵩にとって命の恩人であり、八木が生きていた幸運を嵩は嚙みしめているように見えた。
八木との邂逅は放送時間にして数分だったが、次の機会があることを予感させるには十分だった。八木も闇酒を密造して売っている。生きるために法を犯すことも辞さない厳しい時代に、子どもの未来だけは守ろうとする八木のまなざしは変わっていない。背中を追う八木の存在が、嵩の針路を照らすことになりそうだ。
東京出張を上首尾で終えた『月刊くじら』の編集部では、次号の発行に向けて鋭意取り組んでいた。“ガード下の女王”と呼ばれる高知出身の代議士・薪鉄子(戸田恵子)の記事を取り上げる予定だったが、のぶが執筆したのは闇市で見聞きした八木の行状。のぶは、鉄子と語り合う中で、高知出身の政治家をたたえる記事を鉄子が望んでいないと理解した。伝えるべきは「隠れた善意の人」であると、東海林(津田健次郎)に主張する。
岩清水(倉悠貴)たちが鉄子の反応を危惧するなかで、嵩は八木の記事をボツにしないでほしいと必死にうったえる。「この記事は人の心をつかみます」。嵩の後押しもあって東海林も折れ、のぶが書いた記事が掲載されることになった。しかし、そのことが新たな波紋を呼び……。