齊藤なぎさの芝居に期待大 『告知事項あり。』は“不動産ミステリー”の新たな金字塔に?

 杏のキャラクターを示す2本の柱のうちのひとつが、除霊をある種の生業とする家系で育ったということ。もうひとつが、明るいインフルエンサーだということ。後者に関していえば、齊藤は問題なく、むしろ的確にこれを表現してみせるだろう。2024年の冬に配信がスタートした『【推しの子】』(Prime Video)、それに続くかたちで劇場公開された『【推しの子】-The Final Act-』で快活なヒロインのひとりを演じていた姿がすぐに思い浮かぶ。だから気になるのは、杏の持つ前者の要素をいかに表現してみせるのかというところだ。

『【推しの子】-The Final Act-』©赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・東映 ©赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・2024 映画【推しの子】製作委員会

 幼い頃より杏が霊と親しんできたのならば、それは事故物件内での振る舞いに表れることだろう。霊と接触する瞬間があるのならば、そこも重要なポイントになってくる。そのいっぽうで彼女の目的は、SNSのネタ集めという邪なものでもある。想像するに本作は、観る者を恐怖の渦に引きずり込むようなホラー作品ではないのだろう。作品の概要からして、コミカルな印象も受ける。だからこそ、作品のカラーを決定づけるのは俳優陣だともいえるはずだ。東雲杏というアンビバレントなキャラクターを、齊藤なぎさはどのようなバランスで体現してみせるだろうか。

■放送情報
『告知事項あり。~その事故物件で起きること~』
フジテレビ系にて放送
前編:3月7日(金) 23:40~24:10
後編:3月14日(金) 23:40~24:10
出演:岩瀬洋志、齊藤なぎさ、宮世琉弥、袴田吉彦ほか
原作:児玉和俊『告知事項あり。 その事故物件で起きること』(イマジカインフォス刊)
脚本:市川貴幸
脚本協力:銀次郎、久望蜜
演出:森脇智延
プロデュース:江花松樹、古郡真也
制作著作:フジテレビ
©フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/kokuchijikouari/

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