「これまで、疑ってしまい申し訳なかった！」と全力謝罪したくなるほど、純（岩田剛典）は正義の人だった。3年前に発生したブランフォレスト食中毒事件の犯人が、母・茜（黒沢あすか）だと分かると、「母さんは、罪を犯したんだ。どんな理由があっても許されない」と自首を強要。そして、茜のせいで自死することになってしまった中西（吉田ウーロン太）の妻・塔子（水野美紀）とともに、ブランフォレストの闇を暴こうとしている。たとえ家族であっても、罪を犯したのならきちんと償わせるべきだという考えは、楓（比嘉愛未）と一致している部分だ。この2人、何もかもが正反対に見えていたが、意外にも境遇や性格が似ている。

　『フォレスト』（ABCテレビ・テレビ朝日系）第6話で、新たに明らかになったのは、茜がローストポークに毒を入れたあと、追いかけてきた人物がいたこと。茜はその人物について、「あの人にも、話を聞いてもらえばいい。そうよ、きっと力を貸してくれる」「わたし、その人にリョウスケのことも全部話したの。そしたら、『分かります』って親身になって聞いてくれた。その人も、ブランフォレストに大事なものを奪われたんだって。だから、許せないって（言っていた）」と語っていた。つまり、茜が罪を犯したことも、26年前に純の弟・リョウスケが消えたことも、すべてを知っている人物が潜んでいるということだ。

　塔子が調べたところ、食中毒事件の日にブランフォレスト横浜にいて、鈴子（松田美由紀）の誕生日会にも参加していた人物は、葉山（堀部圭亮）、楓、真琴（ファーストサマーウイカ）、孝子（ふせえり）、翔平（石山順征）の5人。第5話の考察にも書いたが、このなかだとやはり真琴が怪しい。誕生日会のとき、純の前にリョウスケが使っていた吸入器を置いたのも、罪悪感からくるものだったのではないだろうか。また、母の孝子と「目覚めるかな？　社長（＝鈴子）。ねぇ、もしこのまま目覚めなかったら、また家族みんなで一緒に暮らせるかな？　母さんもそう願ってるんじゃないの？　わたしは、1日だってホタルのこと忘れたことないよ」と言っていたのも、気になりすぎる。もしかすると、真琴は純と同じく、姉妹をブランフォレストに奪われた可能性が……？

　正直、怪しい人物がたくさん登場する『フォレスト』のなかで、唯一（？）と言っていいほど、ずっと正義側にいるのが真琴だった。そう考えると、このなかで裏が見えたときに、一番ゾワっとするのが真琴になってくる。また、これはメタ的考察になってしまうかもしれないが、真琴を演じているファーストサマーウイカは、2023年公開の映画『禁じられた遊び』（2023年）で最凶のモンスター・美雪を演じた経験があり、“恐ろしい表情の演技”は得意分野。第6話では、いつもニコニコしている真琴が「は？　何言ってんの？　何回騙されたら気が済むの？　綺麗事だけじゃ、何も変わらないよ」と楓に軽く怒りをぶつける場面があったのだが、ギャップがありすぎてゾワゾワが止まらなかった。

　そして、どこからどう見ても“ヤバい奴”なのが葉山。怪しい描写もあったし、やはり塔子を刺したのは葉山なのだろうか。それなのに、第一発見者になったせいで疑われてしまう純は、間が悪いというか、なんというか……。また、楓がブランフォレストの闇を告発したため、文鳥出版から、「ブランフォレストの闇を、社長の実娘が激白！　ローストポーク食中毒事故調査に驚愕の買収疑惑」という記事が出てしまった。楓も純も、まっすぐすぎて生きづらそう。でも、正義の人なのは間違いない。どうか、2人のような善人が救われる世の中でありますように……と、いまはただ願うことしかできない。

■放送情報
『フォレスト』
ABCテレビ・テレビ朝日系にて、毎週日曜22:15～放送
TVer、ABEMAにて、地上波放送終了後見逃し配信
出演：比嘉愛未、岩田剛典、ファーストサマーウイカ、中川大輔、川島鈴遥、石山順征、町田悠宇、水野美紀、森田甘路、ふせえり、堀部圭亮、松田美由紀ほか
脚本：山岡潤平
原案：龍居由佳里
演出：高橋朋広、松嵜由衣、日暮謙
プロデューサー：辻知奈美、山下浩司、三田秀平（ABCテレビ）、山本喜彦、小路美智子（MMJ）
音楽：木村秀彬
主題歌：三代目 J SOUL BROTHERS「What Is Your Secret?」（rhythm zone）
オープニング曲：輝叶「For Love」（RISING RECORDS）
制作協力：MMJ
制作著作：ABCテレビ
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