小芝風花、大活躍の裏で抱く確固たる信念 「この13年間があったからこそ、いまの自分がある」

 2024年1月期に放送された『大奥』(フジテレビ系)に続き、現在は『GO HOME~警視庁身元不明人相談室~』(日本テレビ系)で主演を務め、2025年放送の『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK総合)で大河ドラマ初出演を果たすことも決まっている小芝風花。そんな彼女が、現在公開中のハリウッド映画『ツイスターズ』で主人公の吹き替えを担当している。「ものすごく難しかった」という2度目の海外映画吹き替えの経験をはじめ、自身のキャリアやターニングポイントとなった作品について話を聞いた。

「実は内心メラメラと燃えるタイプ(笑)」

ーー海外映画の吹き替えは『くるみ割り人形と秘密の王国』(2018年)以来6年ぶり、2度目になりますね。

小芝風花(以下、小芝):そうなんです。でも、前回やったことをまったく思い出せなくて、「どういうふうに臨んだらいいんだっけ……?」という感じになってしまったんですよね。自分自身も吹き替えで映画を観たことがあるはずなのに、急にわからなくなってちょっとパニックになってしまいました。なので1996年公開の『ツイスター』を吹替版で観て、どういう表情にどういう声を当てているかを勉強してから収録に臨みました。

ーー走るシーンや逃げるシーンも多かったですよね。息遣いなどの吹き替えも大変だったのでは?

小芝:大変でした。しかも自分自身のリアクションではないので、映像を見ながら当てていく作業がものすごく難しかったです。

ーーケイトを演じるにあたって、どういうことを意識されましたか?

小芝:ケイトは賢くて聡明な女性でしたし、タイラー役の津田健次郎さんの声がものすごく素敵なので、普段の私の声の感じで演じてしまうと、ケイトがちょっと子どもっぽくなりすぎてしまうと思ったんです。ケイトには男前なところもあるので、普段の自分の声のトーンから少し落として、低めの声で演じることを意識しました。

ーー確かに普段の小芝さんの声とはかなり印象が違いました。

小芝:でも、自分の中では結構反省点もあって。感情的になるシーンが多かったので、気持ちを乗せようとしすぎると、自分のお芝居になってしまうんですよね。他の方々は緊迫したシーンでもすごく安定したお芝居をされていたので、普段のお芝居と声のお芝居の違いを実感しました。ものすごく難しかったですし、勉強になりました。

ーー映画自体はいかがでしたか?

小芝:めちゃくちゃ面白かったです。今日、4DXでも体験させていただいたんですけど、もうアトラクションのようでした。映画の中に入り込んでいく感覚でしたね。子どもから大人まで楽しめますし、友達と観に行ったら絶対に盛り上がると思います。

ーー竜巻の描写も凄かったですが、小芝さんは自然のパワーや凄さを感じたことはありますか?

小芝:自然に関するいい思い出で言うと、子どもの頃に見た星空です。この仕事を始めるまでは、毎年家族で冬はスキーに、夏はキャンプに行っていたんです。 キャンプブームが来る前だったので、そんなに人もいなくて、たくさん星が見えていたんですよね。子どもながらに自然の美しさに圧倒されてしまって、未だに忘れられない景色です。

ーー素敵なエピソードですね。映画の中では過去の悲しい事件によって心を閉ざしてしまったケイトが再び立ち上がる様子も描かれていますが、小芝さんは俳優のお仕事をされている中で、挫折した経験はありますか?

小芝:大きな挫折を経験したことはないと思うんですけど、ちょくちょくはありますね。このお仕事って、ひとつの役を演じることができるのは1人しかいないので、その中で悔しい思いをしたことはたくさんあります。

ーーそういうときはどうやって乗り越えるんですか?

小芝:とにかく周りの人に話を聞いてもらうことですかね。あと、実は内心メラメラと燃えるタイプなので(笑)、「あのとき小芝を選んでおけばよかった!」と思ってもらえるように頑張ろうと気持ちを切り替えます。1個ダメだったら、次に向かってがむしゃらに進んでいく感じですね。

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