『どうする家康』片桐且元役に川島潤哉 「どえらいドラマであることを改めて痛感しております」
毎週日曜日に放送中のNHK大河ドラマ『どうする家康』に川島潤哉が出演することが決定した。
本作は、ひとりの弱き少年が、乱世を終わらせた奇跡と希望の物語。誰もが知る歴史上の有名人・徳川家康の生涯を新たな視点で描く。主人公・家康を松本潤、脚本を『コンフィデンスマンJP』シリーズなどの古沢良太が担当する。
川島が演じるのは、茶々と家康の対立で胃を痛める豊臣家直参で、秀吉の死後は秀頼の側近として仕える片桐且元。豊臣家の威光を知らしめる方広寺大仏殿の再建を手掛けるが、その鐘に刻む銘文が家康の怒りを買い、徳川と豊臣の板挟みにあう。
川島潤哉(片桐且元役)コメント
演じる人物の印象と意気込み
結果として、豊臣方と徳川との「板挟み」にあう片桐ですが、その根本には当然、手を取り合うべき徳川に対する冷静な判断と、守るべき豊臣方の、その象徴としての茶々、秀頼への忠誠や畏怖があったのだと思います。「板挟み」に合いそうなキャラクターからではなく、両者への姿勢をまず、しっかりと身に引き込んだうえで臨めば、自然と胃も痛くなろうと考えています。また、片桐は右往左往しただけではなく、自ら一つの大きな決断をするわけで、そこに至るまでの過程を観ている方に想像していただけるように、しっかりと演じたいと思います。
片桐且元のイメージ
片桐且元という人物の詳細以前に、「真田丸」で同じく片桐を演じられた小林隆さんのお顔がまず思い浮かびました。「鎌倉殿の13人」で唯一人、ひょんなことから連絡先を交換させていただいた大先輩で、不思議なご縁を感じております。お話を頂いてから片桐についてさらに調べると、徳川・豊臣両家の間で翻弄された苦しい立場にも見えるし、どこか達観した立場から冷徹に政治的判断を下しているようにも見えて、その振幅もこの人物の魅力の一つなのかなと思います。むしろ、演じる側が一つの性質に固執してしまうと、その人物の生きた歴史を単純化しすぎてしまうこともあると思うので、振幅のあるイメージというのは、その人物の中にそのまま矛盾せずに共存していたのかもしれない、と考える余地は常に残しています。
オファーを受けた時の気持ち
記憶違いかもしれませんが、後光を受けた伊達政宗のシルエットで始まる『独眼竜政宗』が、大河ドラマの最初の記憶です。子どもながらに「どうやら、どえらいドラマなのだろう」と感じていたのを覚えています。大半の出演者の目の下にクマができていたような、のっぴきならない人々の熱量が延々とほとばしっているような、なんだかずっと叱られているような、そんな緊迫感がありました。気づけば出演する側になり、去年は長い期間携わらせていただく幸運にも恵まれ、その時の体感というのは今も重く残っていて、今回再び関わらせていただけることになっても「ワーイ、また大河ダー」などと軽口を叩く余裕もなく、やはり「どえらいドラマ」であることを改めて痛感しております。
古沢良太作品について
現職の教員の知り合いに勧められて観たのがドラマ『鈴木先生』で、非常に記憶に残っているのですが、不勉強なもので、古沢作品だと知ったのはだいぶ後になってからだったと思います。数多おありになるヒット作も、気づけば拝見していたことのほうが多く、様々な作品を見続けていれば意識せずとも勝手に触れてしまうような、古沢作品というのはさながらエンターテイメント界に張られた一つの包囲網のような印象です。大河の作品はいつでも、自分などは、とどこか他人事のようになりがちなのですが、たまたま今年の頭にロケで岡山を訪れた際、空いた時間に岡山城を訪ね、城内に展示されていた関ヶ原前後の歴史に関する展示を興味深く見させていただいていたので、結果としてその戦国時代の復習が、今回の大河の予習になったことに、これもまた不思議なご縁を感じました。
■放送情報
『どうする家康』
NHK総合にて、毎週日曜20:00~放送
BSプレミアム、BS4Kにて、毎週日曜18:00~放送
主演:松本潤
脚本:古沢良太
制作統括:磯智明
演出統括:加藤拓
音楽:稲本響
写真提供=NHK