『小説家の映画』新場面写真公開 キム・ミニについて語るホン・サンスのコメントも

 6月30日に公開されるホン・サンス監督作『小説家の映画』の新場面写真と主演キム・ミニのコメントが公開された。

 本作は、女性アーティスト同士の幸福なめぐり合いを描いた、友愛と連帯の物語。第72回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(審査員大賞)を受賞し、ベルリンでは『夜の浜辺でひとり』(主演女優賞)、『逃げた女』(監督賞)、『イントロダクション』(脚本賞)に続き、ホン・サンス監督が3年連続4度目の受賞を果たした。

 執筆から遠ざかった小説家ジュニと一線から退いた女性俳優のギルスは、偶然の出会いを通じてたちまち惹かれ合い、ジュニはギルスを主役に映画を撮りたいと持ち掛ける。主人公のふたりをはじめ、彼女たちの行く手に現れるのは、創作活動に行き詰まったり、何かに挫折した女性たち。アーティスト/表現者として成功を収めながらも、共に人知れず迷いを抱えた2人の女性が偶然の出会いを通して、人生の新たな可能性に向かって共に歩み出していく姿が映し出される。

 女性俳優のギルスをキム・ミニ、小説家ジュニをイ・ヘヨンが演じる。

 キム・ミニは公私にわたるパートナーでもあるホン・サンス監督への出演について、「もちろん、カメラの前に立つと緊張するものです。それを克服するのが私の仕事です。すぐに克服できる場合もありますが、これはもう台無しだと感じることもあります。普段の私は緊張していますが、演技のためにカメラの前に立つと、もうそんな私ではなくなり、もちろん場合にもよりますが、演技をしている時には解放されていると感じています。なぜならその時、人々に向き合っているのは私自身ではないからです。普段は人前に出ると緊張する私ですが、カメラの前ではより自然に振舞えます」とコメント。

 ホン・サンス監督はキム・ミニとの仕事について、「キム・ミニとの仕事で、私はとても多くのインスピレーションを得ました。続けて何本も仕事をしていますが、毎回新しいことが次々浮かんできて退屈することがありません。それは画家にとっての愛するモデルや、何度も繰り返し描く素材や場所と同じものかもしれません」と彼女の魅力について振り返った。

 公開された場面写真には、キム・ミニが花束を手にカメラに向かって穏やかな表情を覗かせる姿、映画館の暗闇に身を潜める姿などが写し出されている。

■公開情報
『小説家の映画』
6月30日(金)より全国順次公開
監督・脚本・製作・撮影・編集・音楽:ホン・サンス
出演:イ・へヨン、キム・ミニ、ソ・ヨンファ、パク・ミソ、クォン・ヘヒョ、チョ・ユニ、ハ・ソングク、キ・ジュボン、イ・ユンミ、キム・シハ
配給:ミモザフィルムズ
2022年/韓国/韓国語/92分/モノクロ・カラー/1.78:1/モノラル/字幕:根本理恵
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公式サイト:https://www.mimosafilms.com/hongsangsoo/

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