宮下兼史鷹、待望の『バンバン!』日本公開に寄せて “エンターテインメントの究極”を体感

トム・クルーズと共通する超人的な筋肉

――リティク・ローシャンの魅力溢れる本作ですが、彼とリメイク元になった『ナイト&デイ』で主演を務めたトム・クルーズに似ている部分はありますか?

宮下:トム・クルーズはオーラもあるし、この世の俳優の中でも1、2位を争うくらいのスター性の持ち主ですが、僕の中ではローシャンと1つ大きな共通点があります。それは、筋肉のつき方が他の人とちょっと違うところ。トム・クルーズも意外なところに筋肉がついていたりするんですよね。一般人とは違う、特別な筋肉のつき方をしているからこそ「ああ、この人は超人なんだな」ってことをすんなり受け入れることができる。やはり筋肉ってあればあるだけ強そうに見えるので、重要なステータスの一つじゃないですか。そういう意味でトム・クルーズの筋肉って他の人とちょっと違うつき方をしているし、逆にローシャンは「こんなに絞れるんだ」っていうくらい、“薄皮”なんですよね。僕、ローシャンの筋肉を日常生活で思い出す場面が結構あって。コンビニに行って薄皮のクリームパンを見ると、彼を思い出すんですよ(笑)。あの2人に共通するのは、そういう“筋肉の形の超人さ”ですね。こういう俳優はスクリーンに登場した時の見栄え、ビジュアル面の映え方が違うし、目を惹きますね。

――今、ハリウッドにおいてもどんどんインド映画の存在感が高まっているように感じます。それについてどう思いますか?

宮下:これは僕の個人的な感想になりますが、ハリウッドは“映画といえば”というくらい、言わずと知れた巨大な存在で、それこそ一昔前はアクション映画を量産してヒット作を重ねてきたと思うんです。ただ、だんだんマンネリを避けるために、これまでやっていなかったような小難しい話や、オリジナリティを出すことで勝負するようになってきた。僕のようなアクション映画好きからしたら、それも嬉しいけど、より広く万人に向けたものを作っている印象だったのに、少しターゲットを絞りすぎてしまっているんじゃないかなって思うんです。そんな中で、インド映画が今まさに発展の最盛期を迎えていることは無関係じゃないように思えます。もちろん、インド映画の中にも深い哲学やテーマ性、オリジナリティがありますが、「俺の発想すごいだろ」よりは「とにかくあなた方を楽しませたい」っていうアイデアがインド映画には詰まっているんですよね。インド映画が今盛り上がっているように思える要因はそこが大きいのかなって。ハリウッドがもしかしたら忘れてしまった部分を、インド映画が今ちゃんとやっている感じがするんです。

ーー『RRR』が先日ゴールデングローブ賞歌曲賞を受賞し、アカデミー賞歌曲賞にノミネートされた出来事も大きかったですね。

宮下:そうですよね、とにかく嬉しいです。やはりこういう映画が評価されて、みんなが楽しんでいるっていうのが、僕は一番、人々に元気のある証拠だと思うんですよね。なので、今回『バンバン!』が日本公開されますが、これが大ヒットするような元気な日本に、僕は戻ってほしいなって思っています。一昔前は、日本でも「ちょっと映画館行こうよ」ってなったときに、大半の人が上映作品の中からアクション映画を選んでいたと思うんですよ。またそういう元気な日本に戻ってほしいという願いがあるので、『バンバン!』の公開を機にみなさんぜひ、劇場に足を運んでほしいです。

■公開情報
『バンバン!』
2月10日(金)全国順次ロードショー
出演:リティク・ローシャン、カトリーナ・カイフ、ダニー・デンゾンパ、パワン・マルホートラ
監督:シッダールト・アーナンド 
配給:SPACEBOX
2014年/インド/ヒンディー語/シネスコ/156分
©️Fox STAR Studios
公式サイト:spaceboxjapan.jp/bangbang
公式Twitter:@BANGBANG_jp

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