そして、ついにセカンド・ソロ当日がやってきた。その日の天候はフライト可能なものだったが、舞は急な天候の変化に見舞われる。すぐさま帯広空港への帰投を指示されるが、さらなる天候悪化により目的地が釧路空港に変更となった。

　だが、舞はそこに一度も一人で向かったことがない。「もし釧路でも風が強くて着陸できなかったら？」「その間に燃料が尽きてしまったら？」と、不安に駆られる舞。なんとか集中しようとまばたきの回数は減り、それでも最悪の結果を考えてしまい、目は潤み、息は荒くなる。舞の恐怖が鮮明に伝わってきて、観ているこちらも思わず手に汗握ってしまった。そんな中、大河内教官が別の機体に乗り込み、舞を釧路空港まで導く。直接何かをしてあげられるわけではないが、舞を安心させるために来てくれた。それだけでも、大河内教官の学生に対する愛情が感じられる。

　航空学校では、こうした非常事態に備えて日頃から十分な訓練を行っているが、過去には学生や教官が訓練中に命を落とす痛ましい事故も起きている。大河内教官は学生に思い入れがないわけじゃない。むしろ、学生一人ひとりを大切に思っているからこそ、非常事態でも冷静に対応できる能力があるかどうかを見極めているに過ぎないのだ。舞も、柏木も今回の出来事でようやくそのことに気づけるのだろう。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『舞いあがれ！』
総合：午前8:00〜8:15、（再放送）12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K：7:30〜7:45、（再放送）11:00 〜11:15
出演：福原遥、横山裕、高橋克典、永作博美、赤楚衛二、山下美月、目黒蓮、長濱ねる、高杉真宙、山口智充、くわばたりえ、又吉直樹、吉谷彩子、鈴木浩介、高畑淳子ほか
作：桑原亮子、嶋田うれ葉、佃良太
音楽：富貴晴美
主題歌：back number 「アイラブユー」
制作統括：熊野律時、管原浩
プロデューサー：上杉忠嗣
演出：田中正、野田雄介、小谷高義、松木健祐ほか
主なロケ予定地：東大阪市、長崎県五島市、新上五島町ほか
写真提供＝NHK