『舞いあがれ!』横山裕は朝ドラおなじみの“問題児”? お互いに影響を与え合う岩倉家

 朝ドラ『舞いあがれ!』(NHK総合)第18話では、舞(福原遥)が兄・悠人(横山裕)と再会する。悠人は大学進学で家を出たきり、家に一切連絡を入れておらず、浩太(高橋克典)とめぐみ(永作博美)を心配させてきた。浩太とめぐみが悠人のことをどれほど心配していたかどうかは、めぐみが突然現れた悠人に驚きながら「どないしてたん! 元気やの?」と大きな声をあげる様と、呆れたように立ち上がり「電話ぐらい出え!」と一喝する浩太の姿から十分伝わってくる。一方の悠人は、家族の心配をよそに「見たとおり元気や」「忙しいねん」と意に介さない様子だ。浩太とめぐみ、悠人の間にある温度差に少しハラハラさせられる。

 悠人が大企業に内定したと知り、浩太が驚くと、悠人は「当たり前やん」と、さも当たり前といった表情を見せる。悠人を見る舞は、兄の相変わらずな様子にホッとしたような笑顔を見せていた。しかし、悠人のギョロリとした目つきには、両親に心配されるまでもなく内定がとれるといった自信家の顔だけでなく、人を見下す態度も感じられ、歴代の連続テレビ小説に登場する“問題児”な兄たち同様、トラブルメーカーとなる予感が漂う。

 大企業に内定した悠人に、浩太は「3年経ったら仕事の面白さが分かる」と語るのだが、悠人は3年で辞めるつもりだという。悠人は大学時代に稼いだ2千万円を元手に、株で大金を稼ごうとしていた。悠人の働く目的は「金を稼ぐ」ことで、それを聞いた浩太は絶句する。

 浩太と悠人では「自分の力で稼ぐ」ことへの捉え方が大きく違っていた。悠人は「指一本動かすだけで億稼げる人間になる」ことを夢と捉えている。ここでも悠人は、その夢が自分にとっては当たり前のこと、おかしなことでも何でもない、といった表情で浩太に語りかけている。だが、浩太にとって悠人の夢は夢ではない。2人の会話は平行線を辿り、浩太はその場から立ち去った。

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