『舞いあがれ!』温かみに包まれた第2週 視聴者に響いた“失敗すること”へのメッセージ
連続テレビ小説『舞いあがれ!』(NHK総合)の第2週となる「ばらもん凧(だこ)、あがれ!」が放送された。早くも涙なしには観ることのできない展開となり、視聴者からも感動したとの声があがっている。特に今週は、舞(浅田芭路)が大きく成長する様子が描かれ、その輝く笑顔には多くの人が勇気をもらったことだろう。
五島にきて、舞は少しずつ「自分の気持ち」と向き合えるようになる。失敗ばかりしてしまうことを気に掛ける舞だが、祥子(高畑淳子)は舞がどんなに失敗しても決して責めたりしない。それどころか、失敗しながら前に進めばいいという考えを教え、舞に挑戦する勇気を与えてくれたのだ。「できないことは、次にできるようになればいい」この祥子の言葉は、舞だけでなく視聴者の心にも深く刺さったことだろう。
祥子との暮らしの中で、舞は自分のことは自分で行うようになる。朝起きることも、食べた後の食器を洗うことも、全部自分の責任において自分でやるのだ。舞は寝坊してしまったり、皿を割ってしまったりもしたが、この経験を通して少しずつ「できる」ことを増やしていく。これは舞にとって、自信にも繋がったに違いない。祥子が島での暮らしを通して舞に教えたことは、自然と舞の心を癒していった。
加えて印象的なのが、祥子自身も失敗をしてしまったことだ。釣り客を迎えにいくのも忘れ、舞と夢中でばらもん凧を作っていたため、約束の時間に遅れてしまったのだ。このことで祥子は客から激怒されてしまう。頭を下げる祥子を目の当たりにした舞は「失敗は、悪いことやないんやろ」と祥子に寄り添う。舞にとっては“なんでもできる”祥子さえ失敗をするのだと、憧れの祖母の背中から舞が学んでいく姿に胸が熱くなった。
そして今週の一番の見どころは、何と言っても、舞がばらもん凧をあげるシーンだろう。自信がなく失敗を恐れていた舞が、自らの力で前に進み、挑戦したいと立ち上がる姿は涙なしには見られない。そんな舞のことを島のみんなが支えていく姿にもまた、温かい気持ちにさせられた。失敗を乗り越えるというのは、大人にとっても辛く険しい道のりだ。一度失った自信を取り戻すのは簡単なことではない。しかし一太(野原壱太)をはじめ、五島列島の人々が温かく舞を見守り、応援し、肯定し続けたことで舞は新たな一歩を踏み出すことができたのだ。