田中みな実、女優業への意外なモチベーション 「“ちょっと気になる存在”であり続けたい」

 アナウンサーとして活躍後、現在は主に女優として活躍の場を広げている田中みな実。ヒロイン役を担っている増田貴久主演ドラマ『吉祥寺ルーザーズ』(テレビ東京系)では、“できる女”を自負する、夫と離婚調停中の元女性ファッション誌の敏腕編集長・大庭桜を演じている。女優デビューから早3年、途切れることなくドラマや映画に出演し続けているが、本人から語られるのは意外な言葉だったーー。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】

『吉祥寺ルーザーズ』は「あたたかく笑顔に溢れた現場」

ーー『吉祥寺ルーザーズ』は中毒性があるドラマですよね。話が進むにつれてどんどんおもしろくなっている気がします。

田中みな実(以下、田中):ありがとうございます。ここまでしっかりとした会話劇をやらせていただくのは初めてのことで。事前に台本を読んで自主練したものとは全く違うものが現場で出来上がっていく感覚があって、それが毎度すごく刺激的です。

ーー現場でアドリブがあったりもするんですか?

田中:それがアドリブは全くと言っていいほどなくて、ほとんど台本通りなんです。もちろん言い回しなどは各々が言いやすいように多少変えている部分はありますが、基本的には台本に忠実に芝居をしています。強いて言えば、片桐(仁)さんが役柄のマンタとして、台本にはないツッコミや合いの手を入れてくださるので、それに助けていただくことは多いです。

ーージャンルで言うとシットコム(シチュエーションコメディ)になります。これまでにやられてきたドラマや映画でのお芝居とも大きな違いがありそうですね。

田中:シチュエーションがほとんど変わらない中での芝居なので、その中でどう変化をつけるかは役者に委ねられているところが多いのかなと。セリフのテンポやトーンなどを探りながら、それぞれの俳優が責任を持って演じ、役を愛しているのを感じます。監督の演出が入る前、本番前のドライが一番ドキドキします。みんなどう出るのかなって。練習しすぎるとテンポが良くなりすぎてしまって、それはそれで違ってしまうというのも発見でした。

ーーそれは具体的にどういうことですか?

田中:同じシーンを何度もリテイクしていると、どうしても最初の芝居よりもテンポや距離感がかたまってきてしまうんです。6人で会話をするシーンは特に、予定調和にならないように全員が心掛けていると思います。当たりまえだけど、登場人物にとっては初めての会話で、相手の言葉をうける間など、ちょっとした仕草や目線にまで意識を行き渡らせる必要があると感じました。一切のごまかしが効きません。

ーー田中さん演じる桜はセリフの量も多いですし、一回一回のプレッシャーも大きそうですね。

田中:たしかに、撮影がない日はとにかくセリフ覚えに必死です。でも、全員平等に大変なので、みんなの顔を想い浮かべて乗り切っています!! それぞれにとっての見せ場が訪れるんですよね。何話はこの人が大変そう!って。だから、その回に大きな役割を担う人を全員がさりげなくサポートするような連携をとるようになりました。あたたかく笑顔に溢れた現場です。

ーー主演の増田貴久さんとは同い年ですよね。

田中:そうなんです。まっすーくんは、座長として場を仕切るというよりは、撮影が円滑に進むように、スタッフやキャストひとりひとりと丁度いい距離感を保ちながらやりやすい空間づくりをしてくれます。彼のおかげで、現場に一体感が生まれていますし、笑いが絶えません。

ーー出演発表時のコメントでは「自身と重なるところがあるような、ないような・・・」とお話していましたが、桜と重なる部分とそうでない部分は具体的にどういうところでしょう?

田中:私は比較的融通が効かないし、完璧主義で真面目過ぎる。そこは桜と通ずるところかもしれません。違うところは、他人との違いにそこまでムキになれない。自分と関係のないことで戦うほどの気力はないんです(笑)。

ーーそこが違うポイントなんですね。

田中:そうですね。私はあこまで人としっかり向き合おうとはしないですかね……。「あ、こういう人なのねぇ」って、一緒にいてストレスになりそうだったら離れていく。現実世界ってそうじゃありません? 「違う」と思ったことに対して、いちいち食ってかかっていたら身が持たない。そんな風にあらゆることを飲み込んで、日常のイライラを溜め混んでしまっている人にとっては、桜がバシっと放つ言葉が、どこか痛快だったり共感できるかもしれません。

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