“女性の犯罪映画”はどのように生まれた? 『ハスラーズ』監督が語る、J.Loのプロデュース力

「実はみんなが資本主義の価値観に加担している」

作品について話し合うローリーン・スカファリア監督とコンスタンス・ウー

ーーコンスタンス・ウーとトレイス・リセットは、ハリウッドにおけるアジア系やトランスジェンダー俳優の地位向上についてオピニオンを発信している存在でもあります。そんな彼女たちと一緒に仕事をして感じたことがあれば教えてください。

スカファリア:コンスタンスやトレイスと同じように、今は色々な人たちが広義的な視点で物事を考え、多様性を持つことがとても大事だと感じています。ハリウッドという芸術が生み出される場所で、様々な視点が映画の中に反映されるということは、社会的にもいい流れだと思っています。

ーーストリッパーという職業は、差別や非難を受けやすくもあると思います。本作では、経済的な理由からストリッパーにならざるを得ない状況を描きながらも、彼女たちが仲間同士で連帯して楽しそうに踊る姿が、とても魅力的に感じました。

スカファリア:ストリッパーを描く上で、下品なイメージにならないようにとても気をつけました。あなたが言う通り、彼女たちはストリッパーであることで、実生活では差別を受けたりしています。ですが、私の高校時代の友人には学生ローンを払うためにストリッパーをやっていた子もいたり、彼女たちにはそれぞれに様々な事情があるんです。そういう意味では、社会から誤解されている人たちも多い。ですから、本作においては、実際のストリッパーたちと会い、より現実に近い世界を描きたいと思ったんです。ストリッパーの世界は女性がコントロールしている世界なので、カメラの動かし方など撮影の仕方も意識しました。ラモーナのエントランスのシーンもそれを意識していて、彼女は観客も含めて全ての人の視点をコントロールしているんです。


ーー「この国全体がストリップクラブだった」というラモーナのセリフが印象的でした。2008年のリーマン・ショックを背景とした作品を今作ることにはどんな意義を感じていますか?

スカファリア:この映画ではストリップクラブが一つの世界を表していて、女性がストリップの仕事で偏見を受けている。映画ではそういった価値観や、実はみんなが資本主義の価値観に加担しているということに対して疑問を呈したかったんです。

■公開情報
『ハスラーズ』
TOHOシネマズ 日比谷ほかにて公開中
監督・脚本:ローリーン・スカファリア
原案:ジェシカ・プレスラー(ニューヨーク・マガジン記事『The Hustlers at Scores』)
出演:コンスタンス・ウー、ジェニファー・ロペス、ジュリア・スタイルズ、キキ・パーマー、リリ・ラインハート、リゾ、カーディ・B
提供:リージェンツ、ハピネット
配給:リージェンツ
2019/アメリカ/110分/5.1ch/シネスコ/原題:Hustlers
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公式サイト:http://hustlers-movie.jp
公式Twitter:@HustlersMovieJP
公式Instagram:@HustlersMovieJP

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