吉岡里帆、『ケンカツ』での3か月を振り返る 「人の人生を請け負う重みと戦って、作った作品」
カンテレ・フジテレビ系にて毎週火曜21時より放送中の吉岡里帆主演ドラマ『健康で文化的な最低限度の生活』。9月18日放送の最終回に向けて、主演の吉岡里帆が見どころを語った。
同作は、吉岡演じる新人ケースワーカー・義経えみるの成長を描いたヒューマンお仕事ドラマ。受給者たちの壮絶な人生に直面し、困惑しながらも奮闘するえみるは、目の前で困っている誰かのために汗をかき、自立への手助けをしていく。
先週放送された第9話では、えみるが見守ってきた高齢受給者の丸山幸子(小野和子)と孫のハルカ(永岡心花)のもとに、娘を残して4年間も男と姿を消していたハルカの母・梓(松本まりか)が突如帰ってきた。しかし、梓は再びハルカを置いて1週間以上も家をあけるなど、やりたい放題。寂しさに耐えかねたハルカは、ついにえみるに助けを求めにやってくる。数日後、えみるは、この一件で保護費を振り込みではなく、窓口支給に変更。案の定「義経いるーーー!? 金、入ってないですけど!!」と、鬼の形相の梓が区役所に乗り込んできた。えみるは京極係長(田中圭)と半田(井浦新)とともに、男を連れてきた梓と対峙。ハルカを1週間家に放置した梓の行動が、虐待にあたると問い詰めるが、あくまで金が目的の男と梓は激高し、事態は警察沙汰になるのだった。
最終回について吉岡は、「9、10話は、ドラマのオリジナルストーリーです。柏木ハルコ先生が紡いでこられた重厚な物語をしっかりと基盤にし、わたしたちドラマチームがオリジナルストーリーで、このドラマで伝えたかった家族のお話を描きます。センシティブで、とても愛のある物語です」とコメント。さらに、第1話から登場していた遠藤憲一演じる元受給者の阿久沢と娘・麻里(阿部順子)の物語と、ハルカと梓の丸山家の物語が、同時進行で展開されることについて、「エンケンさん演じる阿久沢さんも、ハルカちゃんの丸山家も、1話から伏線が張られていました。そこが回収されていく。ケースワーカーとしての腕の見せところといいますか、核心に迫る回になります」と語った。
ケースワーカー2年目に突入し、えみるの成長ぶりも見られる最終話について、「不器用ながらも一生懸命にやってきことが実を結ぶ。初回からずっと観てきてくださった方には、よかったなって思っていただける内容になっています!」と微笑む吉岡。全力でぶつかってくる松本演じる梓との対決については、「梓さんの本質的な部分が最終話で明らかになるのですが、梓さんが自分の子どもを育てる厳しい現状が目の当たりになります。でも、やっぱり、憎しみややるせなさを感情いっぱいに梓さんからぶつけられると、えみるとしては、どうにかしたいと思いつつも、目の前のわが子をどうして大事にしてあげられないのか、という怒りも起きてしまう。これまでのえみるは“ただ助けたい”だけだったのですが、敵対してでも守りたいに変わっていった。それが、9、10話なのかなと思います。まりかさん演じる梓さんの、感情をむき出しで生きている姿、目の前が見えなくなって何を大事にすべきかわからなくなっている様子、渦巻く感情は、見る方の胸をわしづかみにすると思います」と力強く語った。
また、えみると過ごした3か月について、吉岡は「1クールと一言で言っても、どういう作品で1クールを過ごすかで、まったく心の持ち方が変わってきます。今回は3カ月という期間が濃厚で、一日一日の重みがすごかった。楽しい、幸せ以外のところで、人の人生を請け負う重みと戦って、作った作品だと思います。人生の瀬戸際、生きるか死ぬかのギリギリのラインを共に歩いていくことは、自然と、自分を強くさせてくれたり、守らなければならないものが見えてきて――。意識したというより、自然とこみ上げる感じでした」と撮影を振り返った。
■放送情報
『健康で文化的な最低限度の生活』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週火曜21:00〜放送
出演:吉岡里帆、井浦新、川栄李奈、山田裕貴、小園凌央、水上京香、安座間美優、谷まりあ、鈴木アメリ、内場勝則、徳永えり、田中圭、遠藤憲一ほか
原作:柏木ハルコ『健康で文化的な最低限度の生活』(小学館『週刊ビッグコミックスピリッツ』連載中)
脚本:矢島弘一、岸本鮎佳
監督:本橋圭太、小野浩司
プロデュース:米田孝(カンテレ)、遠田孝一(MMJ)、木曽貴美子(MMJ)、本郷達也(MMJ)
制作協力:メディアミックス・ジャパン
制作著作:カンテレ
(c)関西テレビ
公式サイト:https://www.ktv.jp/kbss/index.html