“毒親”の次は“義母”? 綾瀬はるか主演の新ドラマ『義母と娘のブルース』が描く“母と娘”の関係性

 7月クールより新ドラマ『義母と娘のブルース』(TBS系、火曜22時~)がスタートする。本作は、桜沢鈴原作による同名4コマ漫画の実写化。仕事一筋に生きてきた32歳のバリキャリ女性が、ひょんなことからバツイチ子持ちのサラリーマンと結婚し、不慣れな家事や育児に奔走する姿を描くという。主人公に綾瀬はるか、そしてその夫役に竹野内豊、一家に関わる重要人物として佐藤健の出演が決定。綾瀬にとっては“義理”とはいえ、本作が初めての母親役となるだけに、その演技のほどにも注目が集まっている。

 タイトルにも表れている通り、本作のテーマは“母と娘”。血の繋がらない親子が、いかに心を通わせていくかを見つめる物語になると思われる。そして近年、この“母と娘”というテーマがTVドラマにおいてひとつの潮流を作り出していることにお気づきだろうか。たとえば、昨年放映された『お母さん、娘をやめていいですか?』(NHK総合)は、娘とまるで親友のように仲が良かった母が、娘の恋人の出現を機に暴走する姿を描いたサスペンス。『過保護のカホコ』(日本テレビ系)は、超過保護な母のもと、言いなりに育ってきた娘が自身の生き方を模索する物語だった。また『明日の約束』(カンテレ・フジテレビ系)でも、主人公が過干渉な母の陰に悩まされる設定が話題に。これらの作品で描かれた母親たちは、子供に悪影響を及ぼす親、子どもが厄介と感じるような親、いわゆる“毒親”。子の人生を狂わせ、ドラマの中に影を落とす、恐怖の対象として描かれるケースが目立った。

 なぜこういった傾向が生まれたのか。そこには、近年“毒親”について書かれた書籍やコミックが相次いで出版され、売れ行きが好調な背景がある。中には元女子アナの小島慶子による「解縛: しんどい親から自由になる」をはじめ著名人の告白本もあり、ニュース番組などでも大いに取り上げられ、世間の関心をさらった。これまで可視化されてこなかっただけで、実は多くの人が母との関係に悩んでいる実態が浮かび上がったのだ。これらのドラマもある意味、そんな時代の中でこそ生まれた作品と言える。視聴者のニーズやトレンドワードから着想を得た物語なのか、どれも原作なしのオリジナル脚本だった点も興味深い。

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