「あだ名禁止」の学校が増える今、人と人との距離を考える コピーライター・川上徹也『あだ名の正体』刊行へ
コピーライターの川上徹也による新書『あだ名の正体 ──なぜうれしくて、なぜ傷つくのか』が、11月11日にちくまプリマー新書より刊行される。
本書は、あだ名を入口に、人と人との距離、同意、権力、そして名前が持つ不思議な力を読み解く一冊。「友だちをあだ名で呼んではいけません。名字にさん付けで呼ぶように」というルールを設ける小学校が増え、SNSでも賛否両論が交わされている現状を踏まえ、あだ名が持つ両義性に迫る。
仲間意識を生み、お互いの距離を縮める言葉である一方、相手を深く傷つける暴力にもなり、ときには権力者を笑い飛ばす武器にもなるあだ名。著者はあだ名禁止の賛否を決めるのではなく、あだ名のよしあしを決めるのは呼ぶ側のセンスではなく、呼ばれる本人の「同意」だと考える立場から論を展開する。
有名人を「キムタク」「ガッキー」「りくりゅう」と愛称で呼ぶと親しみを感じるのはなぜか。なぜ恐い先生や権力者にひどいあだ名をつけたくなるのか。ペット、ぬいぐるみ、AIに名前をつけたくなるのはなぜか。「マクドナルド」が「マック」「マクド」と呼ばれるようになった理由は何か。呼び方に表れる、私たちが相手と結びたい関係のありようを掘り下げる。
「さん付け」は壁なのか、相手を尊重する手すりなのか。「ちゃん付け」は親しみか、子ども扱いか。あだ名で呼び合う会社は関係が変わるのかーー。学校・家庭・職場などで毎日使う「呼び方」を問い直す内容で、中高生だけでなく大人にも向けた一冊となっている。
著者の川上徹也は、コピーライター・日本語探究家。大手広告代理店勤務を経て独立し、東京コピーライターズクラブ新人賞、広告電通賞、ACC賞など受賞多数。ネーミングのプロとして、数多くの商品やサービスの「名前」や「呼ばれ方」を考案してきた。日本語の魅力を掘りおこし、世界へ伝えていくことをライフワークとしている。
■書誌情報
『あだ名の正体 ──なぜうれしくて、なぜ傷つくのか』
著者:川上徹也
価格:990円(税込)
発売日:2026年11月11日
出版社:筑摩書房(ちくまプリマー新書)