THE RAMPAGE 岩谷翔吾「20年以上ダンスをしている僕じゃないと書けない表現がある」 小説『一人分の夜を生き直す』を語る
THE RAMPAGEのパフォーマー・岩谷翔吾による、2作目となる小説『一人分の夜を生き直す』(幻冬舎刊)が11月5日に発売された。
本作は、高校3年の夏、渋谷のクラブでダンスバトルに優勝した蓮と大和が、芸能事務所のスカウトをきっかけにそれぞれの道を歩んでいくという、“二人の青年の成長物語”。パフォーマーとしてキャリアを重ねる岩谷自身が、東京ドームでのライブでパフォーマンスをした夜に感じたことをきっかけに執筆を開始した作品だ。
今回のインタビューでは、作中に出てくるディテールや描きたかったことなど、執筆の裏側に迫った。
【インタビューの最後にサイン入りチェキプレゼントあり!】
東京ドーム公演後のカップラーメンから生まれた物語
岩谷翔吾(以下、岩谷):はい。東京ドームのライブを終えて、一人でコンビニに寄ってカップラーメンを買って帰りまして。夜中にテレビを見ながら、それを食べている時に「数時間前までは、何万人という人の前でステージに立って、歓声を浴びていたのに、一人で今カップラーメンを食べてるっておもしろいな」と思ったんです。「同じ人間の1日なんですけど、こんなにも数時間で変わるものか」って。この物語を書いてみたいなというところから着想を得ました。
――ライブ後にカップラーメンを食べるのは、ルーティーンなのでしょうか?
岩谷:いえ、全然(笑)。たまたまなんですよ。打ち上げで、ごはんを思うように食べられなくて、お腹が空いていて。でも、夜遅かったので、コンビニくらいしか選択肢がなくて。しかも、コンビニも品揃えがあまり良くない時間帯だったから、結局カップラーメンになってしまって(笑)。そう考えると、コンビニに入らなかったら、もしかしたら生まれなかった物語なのかもしれないですね。
――『THE RAMPAGE LIMITED LIVE 2024 *p(R)ojectR® at TOKYO DOME』が行われたのは、デビュー作『選択』が校了した直後なのではないかと思うのですが、2作目の構想は前から持っていたのでしょうか?
岩谷:いえ、2作目を書きたいなとは思っていましたが、具体的なテーマとかは決まっておらず、本当に偶然の巡り合わせでしたね。そもそも狙って出てくるものではないとも思っているので。
――なるほど。では今回の場合で言うと、コンビニに行って、カップラーメンを食べたからこそ、突然生まれたという感じなんでしょうか?
岩谷:本当に、そんな感じです。僕、日常生活において、物語にすると“できすぎだな”って思うぐらいにおもしろい出来事がたまにあると思っているんです。物語にしちゃうと「いや、嘘つけ!」って突っ込まれるような出来事があるのが、僕らの人生だなって。そういう瞬間瞬間を捕まえられるように、おもしろいとか、むかつくとか、どんな些細な感情にも1つ1つ丁寧に向き合っていくことが大事なんじゃないかなと思っています。
ダンスを題材にしたことについて
岩谷:そうですね。ダンスって言葉を一言も発さずにやることなので、それを言葉で表現するというのは、確かにちょっと「どうしたもんかな」と悩んだことはありました。ただ、ダンスの専門用語を使ったり身体表現として描写するんじゃなくて、リズムを感じさせるかのような手法、例えば短い文章をポンポンポンと重ねてみたり、読み手がスッとリズミカルに読めたりというのを意識して描きましたね。
――特に、冒頭の蓮と大和がダンスバトルでパフォーマンスしたシーンは、息が弾むような感覚になったのですが、その理由がわかった気がしました。もともとダンスを言葉で表現するための言葉の引き出しはたくさん持っていたのでしょうか?
岩谷:特に意識はしていなかったですけど、書いていく中で、20年以上ダンスをしている僕じゃないと書けない表現があるなとは思いました。音の中に入り込むとか、そういう感覚的なことは特に。それから、蓮がステージから見た景色、例えば銀テープがパーって出る瞬間を「逆さまに降る流れ星みたいな、重力に従ってゆっくりと客席に落ちていく」と描写したんですけど、これはステージ側から銀テープが降り注ぐ景色を眺めたときに思ったことをそのまま書きました。
――なるほど。たしかにそれはステージに立ってみないとわからないというか、想像でしか描けない表現ですね。
岩谷:それから、僕ならではという意味では、蓮がアイスバスに入るシーンと、その後にみんなでシャワーを浴びるシーンがあるんですけど、あれは実際の出来事にかなり近いです。だいぶオブラートに包んで書いていますけど、ライブ後は疲れ切って、かなり IQが下がっちゃうこともあって、本当に男子校みたいなんですよね(笑)。
執筆する中で輪郭がはっきりとしていった蓮と大和
岩谷:まず展開を考えて、メジャーシーンでいく蓮とストリートカルチャーに寄り添う大和というキャラクターに関しては書きながら、どんどん構築されていきました。ダンスというコンテンツの中で、2つの生き方がある。どっちが正解で不正解だとか、どっちが夢を叶えていて、どっちが夢を叶えていないとかでもない。全く違う2つの人生を描きたかったので、そういう意味でも大テーマだけを決めて走り出した感じです。
――ちなみに蓮と大和、それぞれのモデルはいらっしゃるんですか?
岩谷:特定のモデルはいないですね。だけれども、インスピレーションを受けた要素は多々あると思っています。
――具体的に、どんな部分がインスピレーションになったかお伺いしたいです。
岩谷:まず、大和に至っては、ダンサーの方で「バックダンサーになるのが嫌だ」「命かけて踊ってるのに、誰かの後ろで踊るのなんていやだ」というタイプの人と出会った時に「自分にはない考え方だな」と思って。その言葉をインスピレーションに立ち上げていきました。
――蓮はどうでしょう?
岩谷:蓮に関しては、僕が聞いている音楽の影響が大きい気がしています。例えば、GLAYさんの歌詞とかから、インスピレーションを受けているなと。TAKUROさんの歌詞って「何不自由のない生活なのに何か満たされない」みたいなものをテーマにした曲があって、そこがなんか蓮っぽいなって思って。夢を叶えたという実感は、蓮自身もきっとなくて、まだまだここから先も大きな夢を叶えるっていうタイプだと思うんですけど、夢を叶えたからといって、必ずしもみんな幸せなのかっていうと、きっとそういうわけではないですし、人には人の苦しみがあると思うので、そういうものを蓮には背負わせたかったんですよね。
タイトルに込めた想い
岩谷:実はタイトルに関しては、最後の最後まで決まらなかったんです。というか、最後の着地に関しても、自分で書きながら「どこに向かうのか」を良い意味で決め切っておらず、成り行きに任せていて。最後の最後に、この言葉が出てきました。「あ、これだ!」と思って。自分が書きたかったことが、どんどん削ぎ落とされていって、一番最後に出た言葉だったんですよね。なんか自分の中でも「これを描きたかったんだな」ってしっくりきて、タイトルにしました。
――なるほど。この言葉が出てきた時に、これがタイトルだと納得したんですね。
岩谷:はい。この言葉が出る前に考えていた案は、たくさんあったんですけど、最後の最後に一番濃い部分が抽出されたというか。原液がポトッと落ちたような感じがしました。「自分が書きたかったのはこういうことだな」って。
――前作『選択』よりも青春っぽさみたいなのが印象的で、自分が学生の時に出会いたい小説だなとも感じました。
岩谷:たしかに成長していく過程もありますし、夢に対する捉え方とか考え方みたいなものは意識して書きました。例えば、蓮でいうと、夢を叶えたからといって全てが満たされるわけじゃないっていうことを体現している人物でもあって。大きなステージに立って、たくさんの人から見られて、一見成功しているかのように思われるんですけど、でもこの夢を追う中で失ったものとか、誰にも見せられない孤独みたいなものがあるなと。そこのリアリティは、僕自身がステージに立つ身なので、彼の抱える葛藤とか孤独は忠実に描けたかなと思います。
――この物語で、特に描きたかったことはなんでしょう?
岩谷:特に読んでもらいたいのは、蓮に関しては「本当に幸せなのか?」っていうのを。夢を叶えることが人生のゴールではなくて、その先にどう生きるのかっていうのを、描きたいと思っていました。
――物語終盤の蓮と大和を読んだ際に、それぞれの道もちゃんと繋がっているんだなと思い、心が温かくなりました。岩谷さん自身は、頻繁に会うわけではないけれど、繋がりを感じる方はいらっしゃいますか?
岩谷:強いて言うなら、デビュー作の小説『選択』を一緒に進めていった高校の同級生・横浜流星ですかね。頻繁に会うっていう感じじゃないんですけど、会えば毎回刺激を受けますし「頑張ろう」という気にさせてもらえる、パワースポットのような人だと思っています。界隈は違えど、本当にいい友達に恵まれました。
――最後に、次作の構想を教えてください。
岩谷:デビュー作を書いた時に「まず3作は書こう」っていうのを自分の中で決めていました。3作書けば、「作家としてやっていくんだ」っていうのを行動で示せるなと。ただ、正直、今は書きたいものがまだまだいっぱいあって。3作で終わらせるつもりはないということだけはお伝えしておきます!
■書誌情報
『一人分の夜を生き直す』
著者:岩谷翔吾(THE RAMPAGE)
価格:1,760円
発売日:2026年11月5日
出版社:幻冬舎
岩谷翔吾さんのサイン入りチェキを1名にプレゼント!
【応募方法】
リアルサウンドブックの公式X(旧Twitter)フォロー&該当ポストをリポスト/リアルサウンドブック公式Instagramをフォロー&投稿をいいね&コメントいただいた方の中から抽選でプレゼントいたします。
当選者の方には、リアルサウンドブックの公式Xまたはリアルサウンドブック公式InstagramアカウントよりDMをお送りいたします。
※当選後、住所の送付が可能な方のみご応募ください。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。
※同一の方による複数アカウントからのお申し込みが発覚した場合、ご応募は無効とさせていただく場合がございます。(XとInstagramについては重複とみなさず、それぞれご応募を承ります)
※営利目的の転売は固くお断りいたします。
リアルサウンドブック 公式X(旧Twitter):https://x.com/realsound_b
リアルサウンドブック 公式Instagram:https://www.instagram.com/realsound_b/
(※Instagram上で、上記URL以外の「リアルサウンド」を名乗るアカウントには十分にご注意ください)
<応募締切> 2026年11月19日 23:59まで
■衣装クレジット
Jacket: vintage 80's Giorgio Armani stripe double breasted tailored jacket
¥24,500 +tax/NOILL
Shirt: vintage euro metalic stripe shirt
¥12,500+tax/NOILL
Pants: vintage wide flare trousers
¥26,800+tax/NOILL
Shoes: Go Go Darlin'× kids love gate dress shoes
¥59,800+tax/Go Go Darlin×kids love gate
Necklace: Marland Backus Blossom Bolo
¥27,800+tax/Marland Backus