2025.01.30 16:25

マージョリー・フラックの名作児童文学『子ねずみウォルターはのんびりや』が復刊　『アンガスとあひる』

文＝リアルサウンドブック編集部

　マージョリー・フラックによる児童文学『子ねずみウォルターはのんびりや』（徳間書店）が、1月29日（水）に発売された。

　主人公の子ねずみのウォルターはのんびりや。ウォルターが起きると、家族はみんなもう仕事や買い物や学校へ行っき、ウォルターが学校から帰ると、みんな晩ごはんをすませて寝ている。だんだん、家族と顔を合わせることがなくなってきたある日、学校から帰ると、家の中は空っぽ。ウォルターのことを忘れて、家族が引っ越ししてしまった。家族をさがして森に迷いこんだウォルターは、池のカエルたちやカメと仲良くなる。カエルたちはウォルターの家族さがしを手伝ってくれることに。思わぬ試練に立ち向かい、前向きにがんばるウォルターのすがたが元気を与える物語だ。

　マージョリー・フラックは1897年生まれ、アメリカの絵本作家。『Boats on the River』（未邦訳）が1947年コールデコット賞のオナーに選ばれる。そのほかのおもな作品に『アンガスとあひる』をはじめとする「アンガス」のシリーズ（福音館書店）、『おかあさんだいすき』（岩波書店）、『あひるのピンのぼうけん』（端雲舎）、『かあさんうさぎと金のくつ』（徳間書店）などがある。20世紀前半から活躍し、アメリカの絵本黄金期を支えた作家のひとりだ。

　絵本作品で知られるフラックだが、この作品は少し長めで、小学校中学年にぴったりの読み物。かつて『なまけねずみのウォルター』（光吉夏弥訳／中谷千代子絵／福音館書店／1978年）の題で出ており、長らく入手困難だったが、このたび、フラックの挿し絵を添えて、新訳で復刊した。