『キングダム』単行本の表紙を飾ったキャラクターは死が近い? 55巻以降、その傾向が顕著に
※本稿は漫画『キングダム』のネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。
中国の春秋戦国時代を舞台に、中華統一の軌跡を描いたマンガ『キングダム』には、単行本で読むのを楽しみにしている人にとって、ネタバレになるかもしれない要素が表紙に隠されている。
それが、表紙に登場した人物が単行本の掲載話で死んでしまう可能性が高いというもの。まずはいくつか死亡したキャラクターが描かれた表紙を紹介しよう。
まずは、第1巻の表紙。信(李信)と親友の漂がカバーを飾っているのだが、この巻で第31代秦王・嬴政(後の始皇帝)の身代わりとなって漂は死亡してしまうことに。
8巻の表紙では、嬴政を趙から命がけで秦に逃がした紫夏が登場。嬴政が中華統一を決意するきっかけともなった重要な人物であることから、表紙に抜擢されたと推察できる。しかし、残念ながらこちらも作中で惜しくも命を失ってしまったキャラクターだ。
また、少し飛んで30巻の表紙には麃公将軍が初めて表紙に描かれる。函谷関の戦いから抜け出した別働隊の李牧に気付き追撃するも、龐煖により討ち取られる話が掲載されている。
他の巻を見てみると、14巻で尾到、35巻の成蟜、45巻の蔡沢、51巻のカタリ、55巻の松左と超臥龍、57巻の去亥、58巻の龐煖と信、61巻に礼の姉妹の織、63巻の丘白、64巻の雷土と扈輒(こちょう)、66巻で丘雷、67巻にシオ、69巻の桓騎・那貴・ゼノウ・厘玉・黒桜・召の6名、70巻の韓非子がそれぞれ掲載巻で死亡している。
このように、表紙に現れたキャラクターが、掲載された巻で死んでしまうことが多い。また、主要キャラの呂不韋や胡漸などが死んだ単行本の表紙に、彼らは登場していないため、死亡するキャラが必ず描かれるわけではないようだ。
とはいえ、70巻までに26人。55巻以降に至っては2巻に1回のペースで死亡するキャラクターが登場している。さらに、半数以上が表紙初登場であることから、単行本の表紙に初登場した場合、掲載話で死亡する確率は50%以上。
お気づきのように、作中で退場するキャラクターは、死亡する前に大きな見せ場のあるケースが多いため、そのエピソードが収録された巻を象徴するキャラクターになりやすい、という事情はあるだろう。多くのキャラクターが登場し、命を散らしていく時代漫画の宿命と言えるかもしれないが、単行本を並べて表紙を眺めているだけで、多くのキャラクターの生き様/死に様が偲ばれるのは興味深い。皆さんの印象に残っている単行本は何巻で、誰が表紙に描かれているだろうか。