世界は割り切れない。だからこそ対立している場合ではない。そんなメッセージは、11日から放送スタートの『Helck』からも受け取れそうだ。原作は七尾ナナキの漫画で、『機動戦艦ナデシコ』の佐藤竜雄監督を迎えてTVアニメ化。勇者に魔王が倒されたことで、次の魔王を決める戦いになぜか人間の勇者のヘルクが参加するという意外性のある展開で、ヘルクが魔王を目指した理由の向こうにある、勇者も魔王も超えて世界に必要な存在とは何かを考えたくなる。

　勇者が魔王を倒して後、一般人に戻って友達作りに精を出したいと入った学園で、やっぱり目立ってしまって大変な上に、魔王の娘まで転校してきて起こるドタバタを描いた新木伸『英雄教室』も、TVアニメが9日から放送スタート。やはり世界は魔王と勇者に決着以上の何かを求めているようだ。