【漫画】水族館の人魚と恋に落ちて……ファンタジックな恋愛漫画に胸キュン!
――着想のきっかけから教えてください。
コルクガシ:小さい頃から童話が好きだったのですが、大人になった今だから描ける作品もあるのかなと思って制作しました。現実味のあるファンタジーを目指して描いたんです。
――人魚が男子学生と恋をする物語は珍しい気がします。
コルクガシ:主人公・奏太は自分を重ねている部分があります。個人的に水族館が好きなのですが先日、誰もいない水族館へ行ったら、私と魚しかいない空間が異様だったんですよ。「ここに人魚が泳いでいたら怖いだろうな」と考えていたら、私が恋に落ちてましたね。人魚との恋愛は素敵かもしれないと。いずれは両者の出会いも描きたいと思っています。
――人魚が可愛らしくお菓子を食べるのも興味深い描写でした。
コルクガシ:犬がチョコレートを食べすぎると中毒になってしまうのと同様、という設定にしてあります。だから月に1度という制限があるんですよ。
――「マドレーヌ」という名前はどこから?
コルクガシ:海外のロマンス映画が大好きで、そのなかでも強烈な印象を受けた『エンジェル、見えない恋人』のヒロインから採りました。主人公が彼女の名前を呼ぶ度にときめくんですよ(笑)。キャラクターの名前からアイデアを得ることが多くて、「マドレーヌって素敵、こんな子が私のキャラクターにいたらいいな」と考えていましたね。
ちょうど人魚も描きたいと思っていたので、そのふたつを合わせて考えたんです。ちなみに、飼育員さんの神出さんの名前は、実際に習っていたピアノの先生の名前からいただきました。
――名前から想像を膨らませるのが多いのでしょうか。
コルクガシ:別作品で登場する「カロン」というキャラクターも名前から考えましたね。喫茶店のドアを開けると鳴る「カランコロン」という音を聴いて、「あ、カロンという響きがかわいいな」という感じ。意味よりも、誰かが呼んだ時の響きを意識しています。先ほどの映画の話と同様に「誰かが呼ぶ」というのも関係している気がしますね。
そこから「その名前を呼ぶのに相応しい主人公はどんなキャラクターだろう?」と考えながら、形になっていったのが奏太でした。あと字面も気にしますね。「マドレーヌ」と文字で見ても、甘いお菓子を連想させて可愛い。
――こだわって描きたかった場面などはあります?
コルクガシ:水槽のなかにいる女の子は表現したかったですね。あとはお茶目な仕草をさせたくて、奏太が絵を描こうとするとポージングするシーンは絶対に描こうと思っていました。
――SNSでの作品投稿を続けて感じることは?
コルクガシ:本格的に描き始めて1、2年ほどですが、読んでいただく機会は少しずつ増えてきたと感じます。読者の皆さまには心から感謝ですね。今後も『マドレーヌ』を続けつつ、他の作品にも取り組んでいきたいですね。あとはSNSを見ると厳しいニュースが多く、心が疲れてしまうと思うので、そんな方々の安らぎになるような漫画を楽しみつつ描ければ。