世界の国々が野球の強さを競うワールド・ベースボール・クラシック（WBC）。2023年大会は超一流プレーヤーが大集結。ダルビッシュ有や大谷翔平を擁する日本はもちろん、アメリカやドミニカ共和国などもメジャーリーガーが集結し、過去最高レベルの大会になるとの呼び声が高い。

　野球はアメリカから日本に伝わったものだが、現在のスタイルは「ベースボール」とは若干異なっているといわれる。侍ジャパンは外国の猛者たちとどういう戦いを見せるのか、徐々に注目が集まっているが、漫画にもさまざまな強者の外国人選手が登場してきた。その一端をここでは紹介したい。

アームストロング・オズマ『巨人の星』

　『巨人の星』に登場した外国人選手、アームストロング・オズマ。2歳のころからセントルイス・カージナルスから英才教育を受け「野球ロボット」などともいわれた。

　日米野球で星飛雄馬と対戦したあと、息子と決別し中日ドラゴンズのコーチに招聘された星一徹の要望を受け入団。大リーグボール1号を攻略するため「大リーグボール打倒ギブス」をつけられ、血のにじむような練習を重ねる。

　その結果、バットが見えなくなるほどの速いスイングスピードを習得する。大リーグボール1号の「バットを狙って凡打にする」ことを逆手に取り、一度ホームベースにバットを誘導。そこからもう一度スイングし、ボールをスタンドへと運んだ。

　結局1年でその力を高く評価するカージナルスに呼び戻されたオズマ。長打力あふれるバッティングは野球漫画に登場した外国人のなかでも最強レベルといわれる。また、アニメ版で描かれた彼の「運命」は見る者の涙を誘った。

　その力強いスイングと怪力は、右と左の違いはあるものの2023年WBCドミニカ共和国代表のウラディミール・ゲレロJrと似たものがありそうだ。

ハリーフォアマン『ドカベン』

　野球漫画の金字塔、『ドカベン』に登場したクリーンハイスクールの主砲、ハリーフォアマン。

　元明訓高校監督の徳川が指揮をとるクリーンハイスクールに入学した経緯などは明かされていないが、明訓高校と秋の関東大会で対戦した際には、実況アナウンサーから「巨砲」と紹介されていた。

　明訓高校の土井垣監督はフォアマンの長打力を恐れ、左打者であることから守備陣をレフトに寄せる。しかしアウトコース中心の攻めになることを読み切っていたフォアマンは、里中の外角球をレフトスタンドに叩き込んだ。

　外角のボールを軽々と反対方向のスタンドに叩き込むパワーは、キューバ代表で昨年まで福岡ソフトバンクホークスに所属したアルフ　レド・デスパイネ選手を彷彿とさせる。

フィッシュバーン『ストッパー毒島』

 『ストッパー毒島』に登場したフィッシュバーン。読売ジャイアンツに所属するも1軍では活躍できず、2軍でくすぶっていた。

　その後、近鉄バファローズに移籍。メジャーリーグからのオファーも蹴り、近鉄で2年連続ホームラン王となる。主人公の毒島とは好勝負を演じ、ライバルとして意識していた。

　諸説あるが、セ・リーグの2軍でくすぶったあと、近鉄バファローズに移籍してホームラン王を獲得する経歴は、中日ドラゴンズから近鉄バファローズに移籍したラルフ・ブライアント氏をモデルしているものと思われる。

ジョー・ギブソンJr『MAJOR』

 『MAJOR』で、茂野吾郎のライバルとして君臨したジョー・ギブソンJr。父親は吾郎の実のお父さんである本田茂治にデットボールを与え命を奪ったジョー・ギブソンである。

吾郎のライバルとして描かれたギブソンJrの持ち味は速球の強さとミート力。さらに長打力も兼ね備えており、吾郎からW杯でサヨナラ満塁ホームランを放ったこともある。

　長打、巧打、そして勝負強さを兼ね備えた打撃。WBC2023に出場するアメリカ代表・マイク・トラウトと相通じるものがあるかも。

　漫画以上の強打者が揃っているという声もあるWBCの外国勢。日本投手陣は、どう立ち向かっていくのだろうか。