綾野剛が語る、役者として文章を書く意味 「言葉ではなく、感情を生業に」

佐野凜由輔氏の絵がこの先の指針になった

——佐野凜由輔氏による表紙の絵画もすごいインパクトですね。

綾野:素晴しいですよね! この絵がいちばんの自慢です(笑)。さっきも言ったように、いろんな人の思いとともに作った本なんですが、佐野さんが絵を描いてくれたこともすごく嬉しくて。僕の肖像画で、横を向いている顔なんですが、こちらの想像を遥かに超えているし、本当に素晴らしい、凄まじい作品だなと。感動です。同時に襟を正される感じもあります。

——どういうことですか? 

綾野:佐野さんには僕がこんなふうに見えてるのだなと。「自分にはまだまだやれる。役者としてこういう表現ができる可能性がある」と勇気がもらえたといいますか。この先の指針になりました。この絵が。

——素晴らしい。それにしても綾野さん、素の自分だったり、プライベートな部分を打ち出すことに対する興味がまったくないんですね。

綾野:ないです。自分のライフを話すことはありません。もちろん俳優の方がご自分のライフスタイルを紹介する連載などもありますし、「豊かだな」「素敵だな」と思います。どんな人の人生にも興味がありますが、それを表現するのは僕の性に合っていないのです。

——インスタも写真だけで、言葉がなくて。僕の身近にいる綾野さんのファンの方が「コミュニケーションを取る方法がない」と言ってましたよ。

綾野:そうでしたか。そう言ってもらえる事だけでも嬉しいです。でも、僕を知ってもらってるのは作品や役を通してです。極論「僕自身を好きな人はいないのではないか」と思っています。悲観ではなく、事実として。役を好きになってもらった気持ちが第一優先です。僕のライフスタイルが伝わると、ジャマになる。「受け取り側が精査すればいい」という考え方もありますが、気になる人もいる。なのでこのインタビューも、僕の言葉を載せるより、読んで感じたことを書いてもらえたら嬉しいです。そのほうがリアルサウンドとのコラボレーションになるので。

——では、一つだけ。綾野さんの言葉は詩としての魅力があると思うので、今後もぜひ書いてほしいなと。

綾野:そのお言葉に感謝です。引き続き作品を届けられるように立ち続けます。

衣装クレジット

ジャケット¥165,000(DUELLUM 03−5447−2100)
パンツ¥58,300(Acne Studios Acne Studios Aoyama 03−6418−9923)

書籍情報

綾野 剛『牙を抜かれた男達が化粧をする時代』
2021年8月30日(月)発売
佐野凜由輔・作 ZOOM「GO AYANO face」アートピースページ収録
【ハードカバー・愛蔵版/限定生産】
定価:3300円(税込み)/A5判・ハードカバー上製本・全372ページ
【電子書籍版(注意:佐野凜由輔・作のアートピースページ無し)】
定価:2600円(税込み)/全296ページ

綾野剛 書籍プレゼント

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